「生活防衛に大きなリスクが生じる時代」へ
現在のような天下大乱の時代に注視すべきは、第1に価値観が激変すること。第2に、既存の勢力と新興勢力が激突する時代になる見通しであるということが挙げられます。
予想外の人物が檜舞台に現れて大活躍したり、思わぬ大成功をおさめる人が出てきたりする。過去、激動期にはそういう事象が繰り返し起きています。
一方、繁栄を極めてきた企業や個人が没落していくことも起こるでしょう。私がとくに注意を促したい点は、「生活防衛に大きなリスクが生じる時代」の到来です。2022年は、いわばその元年と言っていいでしょう。日本人は、デフレと低金利によってもたらされた低コストの日常生活を享受してきた側面がありました。
これからは、未曽有の物価高、高金利の時代がやって来ます。戦後の日本人が経験したことがないようなインフレ時代に向かうことはすでに既定路線と言ってもいいかもしれません。極度のインフレと高金利が大幅な生活コストの上昇をもたらす前夜です。
にもかかわらず、平均賃金は増える徴候すらない。収入が増えない以上、これまでの常識を捨てた生活防衛が必要となるはずです。だからこそ、生活防衛のための金融資産が不可欠になるのです。金融資産があれば、生活に余裕を持つことができ、気持ちに張りが出て、生活防衛にゆとりをもって対処できます。
投資のなかでも門戸が広い、株式投資
株、不動産は誰もが手を出しやすい金融資産ですが、不動産投資を今から勉強するのは容易ではありません。物件の鑑定、地価の変動、地域差のデータ分析などは手間暇がかかります。
不動産投資は株式投資に比べて難易度は相当高いと考えたほうがいいでしょう。不動産は、いい物件を鑑定することが非常に難しいのです。プロでも難しいのだから、にわか勉強の素人が参入しても太刀打ちできないでしょう。
暗号資産は、ハイリスクハイリターンです。資金面、生活面でよほど余裕のある人でないと、安心してビットコインなどの暗号資産に投資はできません。しかし株式投資ならば、優良企業、成長著しい企業は、調べれば誰にでもわかります。バリュー株投資などに投資の初心者が多いのはそのためです。
年利0.001%の金利しかつかない銀行にいくら預金していても何の役にも立ちません。100万円預けていても年間利息は10円にしかなりません。預金はいくら据え置いても利子は微々たるもの。銀行にお金を預けるくらいなら銀行の株を買ったほうがいいのです。
年利回りは4%前後。三井住友、みずほ、三菱UFJなどのメガバンクにお金を預けておくよりは、わずかでも利回りで得をする株式を買うことです。いまならかんぽ生命の株(利回り約4.5%)を購入してもいいでしょう。
菅下 清廣
スガシタパートナーズ株式会社 代表取締役社長