(※写真はイメージです/PIXTA)

結果を出せるリーダーは「仮説」をもっています。また、「シンプルな仮説」はチームをひとつにする力があります。26年間務めた花王で培った経験をもとに、現在は課題解決コンサルタントとして活躍する阿比留眞二氏が編み出したビジネス・メソッドを、著書『最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす 』(三笠書房)で解説します。

組織心理学者が提唱する「3つの輪」

部下に仕事を割り振るとき、役に立つ手法があるのでご紹介しておきます。アメリカの組織心理学者で、エドガー・シャインという人がいます。彼が提唱しているのが「3つの輪」という手法です。

 

仕事には大きく3つのカテゴリーがあり、好きなこと、できること、やるべきことに分けられるというのです。この手法を活用すると、部下それぞれに、適材適所の仕事を割り振ることが可能になります。

 

まずは、好きなこととできることの円が交わる部分、ここに注目して、部下の性格と能力を見極めていきます。

 

たとえば、部下の好きなことが「新しいものに触れること」、できることが「英会話」「データ分析」だったとします。そして、チームの仕事、つまりやるべきことのなかから、部下の好きなこととできることを両方満たしている仕事を割り振るのです。

 

「新しいものに触れること」×「英会話」であれば、海外市場の最新情報を資料にまとめてもらう仕事などが最適でしょう。「新しいものに触れること」×「データ分析」であれば、ここ数年のヒット商品の傾向を分析してもらう仕事などが向いています。

 

好きなことは部下のモチベーションにつながり、できることは仕事の成果の出やすさにつながります。3つの輪をうまく使って、この両方を満たす仕事を割り振れれば、自然と結果が出るようになります。この方法を使えば、誰に任せるかが明確になり、効率化や能率化が図れます。

[図表]「部下に合った仕事」の見つけ方

「好きなこと」「できること」を任せてやりがいに

好きな仕事、向いている仕事でやりきったという自信が持てれば、部下の自己肯定感も高まります。

 

すべての部下に3つの輪の中心にあたる仕事を割り振ることはできませんが、この意識を持っているかどうかで、部下の働きやすさは大きく変わります。部下自身が「どうして上司は自分にこの仕事を任せたのか」を理解しやすくなるので、上司の期待通りの働きをしてくれるようになるのです。

 

残念ながら、多くのリーダーは、部下の強みもわからないまま、なんとなく目の前の仕事を振り分けている現状があります。そこから脱却し、チームを動かしていくためにも、3つの輪をうまく活用してみてください。

 

もし、部下の「好きなこと」「できること」がパッと思いつかないなら、本人と相談しながらリストアップしていってもいいでしょう。

 

阿比留 眞二

株式会社ビズソルネッツ 代表取締役

 

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    ※本連載は、阿比留眞二氏の著書『最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす』(三笠書房)から一部を抜粋し、再構成したものです

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