部下の「仕事へのやりがい」を醸成する、最高の上司がやっていること (※写真はイメージです/PIXTA)

結果を出せるリーダーは「仮説」をもっています。また、「シンプルな仮説」はチームをひとつにする力があります。26年間務めた花王で培った経験をもとに、現在は課題解決コンサルタントとして活躍する阿比留眞二氏が編み出したビジネス・メソッドを、著書『最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす 』(三笠書房)で解説します。

【4/13(木)無料Webセミナー】

《Web担当者必見》
売上UPに繋がるリード獲得&育成術
出版社発のWebコンテンツ作り×メールマーケティング

部下の「ポテンシャル」を開花させるには

上司が部下を成長させるのに、目標を設定してあげることも大切ですが、部下の能力を引き出すことも大切です。自分本来の能力を発揮できていないチームメンバーは必ずいます。そういう人は、自分の思考と行動にブレーキをかけて、動けなくなっている場合が多いのです。

 

能力は低くないのに、なかなか動かない部下がいるときには、「なぜ一歩を踏み出せないのか」と一度考えてみてください。目の前のハードルを一つ越えさせるだけで、見違えるように部下が動いてくれることもあるのです。

 

私が指導に入っているある会社の話です。この会社は、さまざまな公共機関の事務や清掃を代行するサービスを事業としています。私は定期的に、社長から会社の課題を出してもらい、その解決策を一緒に考えていたのですが、ある日、営業部のEさんの様子が心配だから、話を聞いてみてほしいといわれました。

 

早速Eさんと面談してみると、日々の仕事は最低限なんとかこなしているようでしたが、たしかに、どこか浮かない顔をしていました。私は、何か悩みがあるのではないかと思い、「何か気になることでもあるの?」と聞いてみました。

一歩踏み出す手助けをすれば、自らどんどん進んでいく

するとEさんは、「実は、新規事業のアイデアを思いついたんです。でも、それを提案していいのか迷っています。そのことが頭から離れず、仕事に集中できないときがあります」というのです。

 

Eさんのアイデアは、新たに個人向けに事業を始めるというものでした。最近、会社に個人のお客さまからの問い合わせが来るようになっているのだそうです。そこで、Eさんが思いついたのが、家事代行サービスです。共働き世帯が多い昨今、家事を代行してもらいたいというニーズは高まってきているので、新たな事業の柱にできるのではないかというのです。

 

私は、それを会社に提案してみようとアドバイスしてみました。採用されるかどうかはわかりません。ただ、新規事業について自分なりの考えを持っているというのは、評価されるべきことだと思ったのです。

 

Eさんは、「本当に自分なんかが意見を出してもいいのだろうか?」と最後まで迷っているようでしたが、実際に提案してみると、なんとすぐに事業の立ちあげが認められたのです。現在、Eさんは、その事業の立ちあげのため、社内外の調整に走り回っているようです。

 

リーダーから見て、力を発揮できていないように感じる部下は、案外たくさんいます。しかし、そういう人は、能力が低いわけではありません。心理的なブレーキを外してあげると、自分なりの仮説を立て、どんどん行動に移してくれるようになります。

 

チームは、個々人が最大のパフォーマンスを発揮することではじめて大きな成果が出ます。ぜひ、部下指導をするときには、部下の迷いをなくせるような声がけを心がけてください。

 

【4/13(木)無料Webセミナー】

《Web担当者必見》
売上UPに繋がるリード獲得&育成術
出版社発のWebコンテンツ作り×メールマーケティング

あなたにオススメのセミナー

    株式会社ビズソル 代表取締役 課題解決コンサルタント

    1954年、東京・中野生まれ。明治大学商学部卒業後、花王石鹸株式会社(現・花王株式会社)入社。以後、26年間、管理部門、販売・企画部門、社員教育部門などに配属され、そこで培った経験をもとに、独自のビジネス・メソッドを作り上げる。2005年、株式会社ビズソルネッツ(現・株式会社ビズソル)を立ち上げ、「課題解決コンサルタント」として、そのメソッドを駆使し、さまざまな企業の経営者から幹部・幹部候補社員、新入社員まで、これまでのべ8000人を指導。特にリーダー層向けの研修では、目標達成のための合理的な思考力、判断力、実行力、コミュニケーション力が身につくと好評を博している。

    著書に『最高のリーダーは、チームの仕事をシンプルにする』(三笠書房)、『紙1枚で仕事の課題はすべて解決する』(ワニブックス)などがある。

    著者紹介

    連載最高のリーダーは「仮説」を使って“最短距離”で結果を出す、シンプルな課題解決メソッド

    ※本連載は、阿比留眞二氏の著書『最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす』(三笠書房)から一部を抜粋し、再構成したものです

    最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす

    最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす

    阿比留 眞二

    三笠書房

    「シンプルな仮説」がチームを一つにする! 成果を生む! ◎「あれもこれも」ではなく「1つ」に ◎花王を変えた「想像力」とは? ◎「いきなり情報収集」はNG ◎「これからどうなる?」と問いかけよ ◎ 会議を「仮説検…

    メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

    登録していただいた方の中から
    毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
    TOPへ