(※写真はイメージです/PIXTA)

結果を出せるリーダーは「仮説」をもっています。また、「シンプルな仮説」はチームをひとつにする力があります。26年間務めた花王で培った経験をもとに、現在は課題解決コンサルタントとして活躍する阿比留眞二氏が編み出したビジネス・メソッドを、著書『最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす 』(三笠書房)で解説します。

部下の“仮説力”を鍛える、2つの方法

部下自身の仮説を聞くのは、もう一つの大きなメリットがあります。上司がマネジメントしやすくなるのです。

 

部下の見通しを聞くことで、仕事の進捗状況を把握できます。それは上司が仮説を立てるときにも、とても有用な情報になります。部下の仮説を聞いておけば、次にどういう対応をすればいいのか、どういうアドバイスを与えればいいのかが明確になります。

 

また、「これからどうなる?」という聞き方には2つの方法があります。一つは、これから起こりそうなことをどんどんあげてもらう方法です。

1 これから起こりそうなことをどんどんあげてもらう

たとえば、「○○社との取引だけど、何が起きると思う?」と問いかけ、「担当者がかなり慎重で交渉が長引きそうだ」「担当者が変われば、一気に話が進むかもしれない」「新商品を売り込めば、契約まで持ち込めるかもしれない」など、できる限りたくさん「起こりそうなこと」を答えてもらいます。

 

そのあと、部下と相談しながら、どれが一番可能性が高いかを考えてみるといいでしょう。これは、まだ経験が浅い部下に対して効果的な聞き方です。

2 「可能性の高いこと」を深掘りさせる

もう一つは、「○○社との取引だけど、どういうふうに進んでいくと思う?」というように、一つの可能性をとことん深掘りしてもらう方法です。

 

「担当者がかなり慎重で交渉が長引きそうだ」

→「複数の会社との競合になる可能性がある」

→「コンペが行なわれるかもしれない」

→「値引きや条件の追加をしないといけないかもしれない」

 

このように、一番可能性の高いことをあげてもらい、そこからどう進んでいくかをどんどん掘り下げてもらうのです。上司はサポート役になって、方向性などの微調整を行なっていきます。

 

これはキャリアを積んできた人に対して効果的な聞き方です。ある程度先を見通せるようになった部下が、さらに精度の高い仮説を立てられるようになることが目的です。部下の能力や仕事の内容に応じてこの2つの聞き方を使い分け、部下の“仮説力”を伸ばしていってください。

 

[図表]「2つの聞き方」で部下の仮説を引き出す

 

阿比留 眞二

株式会社ビズソルネッツ 代表取締役

 

※本連載は、阿比留眞二氏の著書『最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす』(三笠書房)から一部を抜粋し、再構成したものです

最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす

最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす

阿比留 眞二

三笠書房

「シンプルな仮説」がチームを一つにする! 成果を生む! ◎「あれもこれも」ではなく「1つ」に ◎花王を変えた「想像力」とは? ◎「いきなり情報収集」はNG ◎「これからどうなる?」と問いかけよ ◎ 会議を「仮説検…

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