(※写真はイメージです/PIXTA)

結果を出せるリーダーは「仮説」をもっています。また、「シンプルな仮説」はチームをひとつにする力があります。26年間務めた花王で培った経験をもとに、現在は課題解決コンサルタントとして活躍する阿比留眞二氏が編み出したビジネス・メソッドを、著書『最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす 』(三笠書房)で解説します。

仮説に対応する解決策をみつける、6つの発想法

仮説を立てたら、それをどう解決するか、改善するかを考えていきましょう。

 

そのための、6つの発想法をご紹介します。これらを使えば、効果的な方法を考え出すことができるでしょう。

 

1 代用する

2 組み合わせる

3 適応させる

4 修正する

5 その他の使い方をする

6 並び替える

 

それぞれ解説しましょう。

1 代用する

代用することで解決策を導き出す方法です。単純に「代わりに何かを使って」解決できないかを考えます。

 

この何かというのは、ものでも、お金でも、システムでも、人でもいい。何かしらを代わりに使ってみるということです。

 

たとえば、

 

「営業部門と開発部門の間で情報交換がほとんどない」

 

→「新商品の情報は書類ではなく、会議の場で直接共有する」

 

というように考えてみるのです。

 

この方法は、すでにあるもので代用できるので、簡単に実践できるというメリットがあります。

 

何か代わりに使えるものはないか、という視点を持って考えてみてください。

2 組み合わせる

これは、何かと何かを組み合わせ、新たなものを生み出すという手法です。たとえば、ドラッグストア業界第3位のコスモス薬品は、医薬品以外に食料品を販売し、売上を伸ばしてきたことで有名です。

 

薬の市場と食品の市場を組み合わせて売上を得ているのです。また、食品を販売することで、薬が必要ない人にも足を運んでもらい、集客につなげています。

 

この方法を使えば、

 

「営業部門と開発部門の間で情報交換がほとんどない」

 

→「営業のついでに、顧客のニーズを聞き出し、新商品開発に生かす」

 

などがパッと思いつくはずです。これは、従来の「商品営業」に「ニーズ調査」を組み合わせているので、より仕事の価値を高める効果が期待できます。

 

まずはたくさん書き出してみて、そのなかから組み合わせてうまくいくものはあるか、という手順で考えてみると、思いがけないアイデアが浮かんできます。

3 適応させる

「アイデアが何も思いつかない…」というときに、使い勝手がいいのが、適応させるという方法です。

 

たとえば、成功事例をそのまま自分の状況に当てはめるのです。

 

この方法を利用すると、

 

「営業部門と開発部門の間で情報交換がほとんどない」

 

→「他部署でうまくいっている情報交換の方法を取り入れる」

 

のようになります。

 

この方法では、すでにある成功事例を当てはめていくので、失敗の可能性を下げることができます。

 

また、誰かに説明するときにも、実例をあげながら伝えられるので、イメージを共有しやすいというメリットもあります。

4 修正する

単純ですが、現状を修正してみるというのも効果的です。

 

「営業部門と開発部門の間で情報交換がほとんどない」

 

→「開発部門から情報を得たときはメンバー全員で共有する」

 

このような修正をしていくだけでも改善に向かう可能性はあります。

 

なぜなら、現状をよりよくするということは、部署のメンバー誰もが考えていることでもあるからです。メンバーと一緒に考えるのもいいでしょう。リーダーの視点では思いつかないようなアイデアが出てくるかもしれません。

5 その他の使い方をする

皆さんが使っているふせんですが、これは面白い発想から生まれました。

 

実験に失敗して生まれた、力の弱い接着剤を「はがせるメモ紙」として商品化したことがはじまりなのだそうです。

 

このように、他の使い方をしてみるというのも、解決策を考えるときの参考になります。ものだけではなく、人材配置においても有用な考え方です。

 

「営業部門と開発部門の間で情報交換がほとんどない」

 

→「営業部門と開発部門の間で人材交流の制度をつくる」

 

こうすることで打開策が見つかることがあります。

 

行き詰まりを感じたら、一度発想をガラッと変えてみる。それによっていい方法が見えてくることがあるのです。

6 並び替える

結果がうまく出ないときに、物事の順番を変えると、すんなりうまくいくということがあります。

 

たとえば、クラウドファンディングは商品が完成する前にお金を払ってもらうという、通常の売り買いとは逆のモデルになっています。

 

この方法を使えば、

 

「営業部門と開発部門の間で情報交換がほとんどない」

 

→「営業部門から開発部門へ情報を聞きに行く」

 

というように、順番を入れ替えることで、新たな効果を生むプロセスができあがることがあります。

 

突飛な発想はなかなか生まれませんし、効果的でないことが多いものです。もっと簡単に考えて、プロセスを並び替えるというのを試してみてください。

 

ご紹介した6つの発想法をうまく使いながら、「仮説→実行」の流れをつくって、よりよいチームをつくっていってください。

 

阿比留 眞二

株式会社ビズソルネッツ 代表取締役

 

※本連載は、阿比留眞二氏の著書『最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす』(三笠書房)から一部を抜粋し、再構成したものです

最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす

最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす

阿比留 眞二

三笠書房

「シンプルな仮説」がチームを一つにする! 成果を生む! ◎「あれもこれも」ではなく「1つ」に ◎花王を変えた「想像力」とは? ◎「いきなり情報収集」はNG ◎「これからどうなる?」と問いかけよ ◎ 会議を「仮説検…

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