(※写真はイメージです/PIXTA)

日本の公的医療保険は非常に手厚く、FPのなかには「民間の医療保険は不要」とまで言い切る人もいるほどです。公的医療保険には、会社員などの被用者を対象とする健康保険、自営業者が地域で加入する国民健康保険があります。今回は、会社員の健康保険の基本的な内容について見ていきます。自身もFP資格を持つ、公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

会社員を対象とする「健康保険」…どんな種類がある?

会社員を対象とする「健康保険」は、被保険者とその被扶養者に対して、業務外の事由による病気、ケガ、死亡、または出産などについて保険給付をおこなう制度です。「業務外の事由による」と限定されているのは、業務上の病気、けが、死亡については、労災保険の対象となるからです。

 

健康保険の事業を運営する保険者には「全国健康保険協会」と「健康保険組合」の2つがあります。

 

★協会けんぽ 

 

全国健康保険協会が運営する健康保険は、「協会けんぽ」といい、主に中小企業を対象としています。健康保険組合が設立されていない中小企業で働いている人は「協会けんぽ」に加入します。

 

★組合健保 

 

健康保険組合が運営する健康保険は、「組合健保」といいます。健康保険組合が設立されている大企業で働いている人は「組合健保」に加入します。

 

★個人事業主の場合は? 

 

個人事業主は、健康保険の被保険者になることができません。したがって国民健康保険に加入しなければなりません。

 

【健康保険の種類】

 

協会けんぽ:主に中小企業

組合健保:主に大企業

※個人事業主の場合は健康保険への加入ができないため「国民健康保険」への加入が必要

 

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健康保険の対象者は、被保険者だけでなく被扶養者も! 

健康保険は、被保険者だけでなく、被保険者の収入によって生活している家族も対象とし、被扶養者として保険給付を受けることができます。

 

個人事業主が加入する国民健康保険には、扶養のしくみはありません。

健康保険の保険料は、給与・賞与から天引きされる

会社員は、全員が健康保険に加入します。加入すれば保険料の納付が必要となり、給与および賞与から健康保険料が天引きされます。

 

保険料は、毎月の給与額を一定範囲内ごとに区切りのいい金額に置き換えた標準報酬月額および標準賞与額に一定の保険料率を掛けて計算されます。

 

保険料は、原則として、被保険者と会社が半分ずつ負担します。

 

[図表]【協会けんぽ】健康保険・厚生年金の保険料額

 

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会社員の医療保険とは 協会けんぽ・組合健保・療養給付と療養費について

健康保険の療養給付で、医療費の自己負担は原則3割に

保険給付の中心は、療養の給付です。つまり、被保険者やその家族が、病気やケガをした場合、医師の診療などで給付されます。

 

★医療費の自己負担額 

 

医療費の自己負担は、原則3割です。ただし、70~74歳の人の自己負担は原則2割、義務教育就学前の児童は2割となっています。

 

【医療保険の自己負担割合】

 

小学校入学前:2割

小学校~70歳未満:3割

70歳以上~75歳未満:原則2割(現役並みに稼ぐ人は3割)

75歳以上:原則1割(現役並みに稼ぐ人は3割)

 

★診察時に保険証を忘れても「療養費」として払い戻せる 

 

病院に保険証を提示できなかったときには、医療費を一時的に全額負担することになりますが、このような場合には、あとから現金で払い戻しを受けることができます。これを「療養費」といいます。

 

 

岸田 康雄
国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士

 

 

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