大まかな道筋とゴールを示す。やり方は個人にまかせる
私はコンサルタントとして、メーカーから官公庁まで、さまざまな現場を見てきましたが、業種に関係なく、結果を出せないリーダーは、やはり“仮説力”を持っていないケースがほとんどでした。
部下は、上司から何を求められているのかがわからずに動けないのです。そして、結果を出すまでの過程をすべて自分で考えなければならないから、効率が悪かったり、動けなくなったりします。
大まかな道筋とゴールを示す。しかし、やり方は自分で考えさせる。こういう指導が部下にとっては一番動きやすいのです。やることが明確で、自分なりの裁量もあるので、アイデアもモチベーションも湧くでしょう。リーダーの仕事の肝は、部下を動かすことなのです。自分一人でチーム全体の仕事ができるのならいいのですが、そんなことは不可能です。
部下と一緒になって大きな仕事に取り組むからこそ、自分一人では達成できないような成果を出せるのです。部下をいかに動かすか。これがどんなリーダーにも共通するテーマなのです。
チームを上昇気流に乗せる
「仮説」を使ってマネジメントをすると、部下が動き出す。私は、「仮説」を立てられるようになったことで、みるみる変化を遂げていったリーダーたちを数多く見てきました。
チームをうまく動かせるというのは、日々の仕事がやりやすくなるだけではなく、もっと大きな効果をもたらしてくれます。チームの目標達成、メンバー同士の信頼感の醸成、会社からの評価アップ…。結果を出すために必要な要素がどんどん満たされていくのです。そして、経験を積み、成果をあげることでさらに“仮説力”が磨かれていきます。この好循環が、さらにチームを上昇気流に乗せていくのです。
リーダーを信じてついてきてくれる部下たちに「このチームに入ってよかった。この会社に入ってよかった」と思ってもらえるよう、「仮説」を立てられるリーダーを目指してください。
阿比留 眞二
株式会社ビズソルネッツ 代表取締役