2022年第3四半期、好決算続々…注目すべき「フィリピン・食品メーカー」3選

11月14日週「最新・フィリピン」ニュース

2022年第3四半期、好決算続々…注目すべき「フィリピン・食品メーカー」3選
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏による、最新のフィリピンレポート。今週は、好調な2022年第3四半期決算が続々と発表されていますが、そのなかから、フィリピン人の生活に密着する食品分野の企業業績についてみていきます。

多彩なブランドを展開、URC…過去最高の売上高を記録

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フィリピンの大手食品メーカーで、フィリピンの人たちに愛されるさまざまな食品ブランドを展開するのが、ユニバーサル・ロビーナ社(URC)です。同社は、2022年第3四半期に過去最高の売上高を記録しています。

 

URCの2022年第3四半期の売上高は、ブランドコンシューマーフーズ(BCF)事業と農産品・コモディティ(AIC)事業の増収により、前年同期比32%増の368億PHPとなりました。

 

経済の再開が続くなか、2022年9ヵ月間の累計では、前年同期比26%増収の1,079億PHPとなり、昨年の資産売却に伴う一過性の利益を除いたコア純利益は、前年同期比9%増益の97.2億PHPを記録。同社の売上は、業界のマーケットリーダーとして第四四半期も堅調に推移すると見られています。

 

一方で、商品原価率については、原材料価格の高止まりとペソ安ドル高によるインフレ圧力が圧迫要因となっていますが、経営陣は、積極的な値上げ、持続的な需要獲得、コスト削減プログラムによって原価率の増加を抑制することができるとしています。

 

第4四半期は、フィリピンの消費が1年間で一番盛り上がるホリデーシーズンになると共に、フィリピンでは、10月から学校の完全対面式授業が再開されていますので、売上の増加が加速すると見られています。

大手メーカー、CNPF…OEMによる輸出事業の顕著

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前述のURCと並ぶフィリピン大手食品メーカー・センチュリーパシフィックフード社(CNPF)の2022年第3四半期は、自社ブランド商品が15%増と好調であったため、売上高は前年同期比13%増収の158億7,000万PHPとなりました。2022年9ヵ月間の売上高は、自社ブランド事業の17%増により、前年同期比14%増の469億5,000万PHPとなっています。

 

マグロとココナッツのOEMによる輸出事業は、年初は高い輸送コストで利益を圧迫されましたが、これも回復し、2022年9月期には5%の増益を記録。売上総利益は、2022年第3四半期に前年同期比12%増の36.9億PHP、2022年9か月間に同15%増の115.0億PHPとなりました。同社もURC同様に、業界のマーケットリーダーとしてのブランド力と地位を維持し、増収を続けていくと見られています。

 

原材料価格の高止まりとペソ安の影響で原価上昇プレッシャーがあるなか、戦略的値上げとコスト最適化策により、粗利益率24.5%を維持。経営陣は、今期必要な原材料の90%をすでに確保すると共に、1~2%程度の値上げを引き続き継続し、年間の値上げ幅は10%程度になるとしています。

 

CNPFは、売上の20~25%が輸出による米ドル建てである一方、短期および長期債務がペソ建てであるため、ペソ安米ドル高による恩恵も享受しています。自社ブランド商品が堅調に推移し、OEMビジネスが回復を続けていることから、経営陣は引き続き、2022年通期での売上増加率を10%台半ば、ボトムラインの増益率を1桁台半ばとガイダンスしています。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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