(※写真はイメージです/PIXTA)

4つの歯科医院を運営する村瀬千明氏は、採用活動により女性スタッフがそろったとしても、経営の安定には「定員、プラスαの女性スタッフ」が必要不可欠だといいます。一見、人件費がかさみ経営にはマイナスのような気がしますが、村瀬氏の持論にはどのような意図があるのでしょうか、みていきます。

人員確保のために「長く働くメリット」をつくる

経営を安定させるためには人員確保は必須です。人員を確保するためには、女性スタッフに辞めないで長く働いてもらうことが必要です。そこで私は「長く働くメリット」を次のように考えました。

 

・勤続年数に応じて有給休暇が多くなる
・勤続年数に応じ昇給する
・自分を理解してくれる仲間ができる
・退職金が出る

 

勤続年数に応じて有給休暇が増えることが、自分より先に職に就いているスタッフを見て分かれば、自分の未来が描きやすくなり、私も長く休めるように頑張ろうと思える理由の一つになると考えました。有給休暇があるだけではダメで、実際に取得できなければ意味はありません。全員が夏休みや有給休暇をしっかりと取得できる人員配置の環境もつくりました。

 

次に給与に関しては破格の高額給与を出すことはできませんが、適度に快適な生活ができる給与は出したいと思っています。お金があることは安心につながるからです。また基本的に1年に1回昇給があるので、長くいればいるほど年収が増えます。

 

最後に退職金については、長くいればいるほど額が増えていく仕組みの保険商品を使っています。数年で辞められたら会社としてはマイナスですが、長くいるメリットのために導入しています。10年以上積み立ててプラスになるくらいです。

 

退職金の積み立ては、自分たちの給与から引かれるわけではありません。それで退職するときにほかより多くの退職金がもらえれば働いている間も頑張ろうと思いますし、多少は嫌なことがあっても乗り切ってずっと働こうと思うわけです。

 

中小企業退職金共済の場合は、転職すると次の職場でそれまでの退職金の積み立てを継続できますが、私の医院でやっている退職金は辞めればそれで終わりです。

 

「ここにいて良かったな」と最後に思ってもらえるくらいの受け取り額の良い退職金制度を設けました。

 


村瀬 千明

歯学修士

日本矯正歯科学会認定医

 

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※本連載は、村瀬千明氏の著書『歯科医院の成功は女性スタッフで9割決まる』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

歯科医院の成功は女性スタッフで9割決まる

歯科医院の成功は女性スタッフで9割決まる

村瀬 千秋

幻冬舎メディアコンサルティング

日本では歯科医師の数が年々増え続けており、歯科医院は競合が激しいなかで生き残っていく必要があります。 しかし、歯科医院は歯科医師の高い技術さえあれば経営が成り立つほど単純ではなく、実は女性スタッフの働きこそが…

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