「診療時間を短縮」した歯医者…売上が下がるどころか、経営が安定したワケ【歯科医が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

4つの歯科医院を運営する村瀬千明氏は、労働環境の改善によってやる気のある女性スタッフが多く集まる歯科医院づくりを実現しました。今回、診療時間を短縮したにもかかわらず、売上は下がらずに経営が安定したワケについて、村瀬氏が詳しく解説します。

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経営者として後ろめたいことをなくす大切さ

福利厚生や職場の環境づくりは、長く働いてもらうためには最低限必要なことだと考えています。

 

例えば長時間労働でサービス残業があり、有給休暇は未消化といった状況であれば、もっと頑張ってとは言えませんし職務態度を注意することもしづらくなります。残業代は1分単位できちんと払い、有給休暇取得率を高め、労働時間は8時間以内という職場環境を整えて初めて、経営者はスタッフに「もっと頑張ってね」と言いたいことが言えるわけです。

 

隠したいことやあいまいなこと、指摘されたら困るようなことをすべてクリアにして環境を整えることは、スタッフと対等に話ができるための大前提です。

 

勤務時間をあいまいにするなどといった後ろめたいことがあるとこちらの本心を相手に伝えることはできませんし、相手の本心も引き出すことはできません。コミュニケーション不足になるのです。

 

こちらのできることをとことんやって、そのうえで私はこうしてほしいと伝えれば、たいていの人は分かってくれます。本当の気持ちを伝えれば、相手も心を開いて話をしてくれます。

 

女性スタッフの働く環境を良くするために最初にしたことが、給与や1分単位の残業代、有給休暇、夏期冬期の休暇、社会保険、そして退職金といった福利厚生を一から見直すことと、診療時間の終わりを夜8時から夕方6時に変えて、6時半にはスタッフが退勤できるようにしたことです。

 

診療時間を変えた理由はやはり女性スタッフに長く働いてもらうためです。

 

夜8時まで働かせておいて「子どもを言い訳にしないで頑張ってね」とは言えません。それに夜の8時まで働くといった条件では人員の確保が難しくなったこともあります。6時までの診療時間で募集すれば応募があり人員を確保することができるようになりました。

 

福利厚生の環境整備や人員を多めに確保することは、経営者の後ろめたさをなくしてスタッフに思ったことを言いやすくするためやスタッフと心を開いて話すためにも必要なことなのです。

 

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    歯学修士/日本矯正歯科学会認定医

    1979年、千葉県生まれ。医師や歯科医を相手に保険の仕事をしていた母親の勧めと、バブル崩壊後の就職氷河期ということもあり、手に職をつけ自信をもって長く働ける職業として歯科医を目指す。2005年に東京歯科大学を卒業後すぐ、妊娠が判明し結婚。夫がまだ学生であったため出産直後より数年間勤務医として働く。その後、以前より興味のあった歯科矯正について学びたいと思い、2009年に東京歯科大学矯正歯科臨床専修課程に入局。

    夫や友人たちとともに2011年にむらせ歯科医院を開業。2012年専修課程修了、医療法人社団千友会設立。2013年に日本矯正歯科学会認定医を取得。2022年現在、千葉県内にて4つの歯科医院を運営している。

    著者紹介

    連載経営に悩む医師必読!歯科医院成功のカギは「女性スタッフ」が握っている

    ※本連載は、村瀬千明氏の著書『歯科医院の成功は女性スタッフで9割決まる』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    歯科医院の成功は女性スタッフで9割決まる

    歯科医院の成功は女性スタッフで9割決まる

    村瀬 千秋

    幻冬舎メディアコンサルティング

    日本では歯科医師の数が年々増え続けており、歯科医院は競合が激しいなかで生き残っていく必要があります。 しかし、歯科医院は歯科医師の高い技術さえあれば経営が成り立つほど単純ではなく、実は女性スタッフの働きこそが…

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