「規模の大きい歯科医院」を目指した理由
他医院よりいい退職金制度や給与、そして多めの人員確保を実現するためには相応の利益が必要です。この必要な利益を手に入れるために、医院の規模を大きくしてきました。
本院1医院だけのときは黒字が出たとしても、やはり大きな利益にはなりませんでした。分院を1つ開院して2つの医院になったとき、利益が残るようになりました。すると福利厚生だけではなくセミナー代や設備投資を賄えるようになったのです。
歯科の診療は一つひとつが大きな利益になるものではないので、患者数を多く獲得しなければなりません。
最初からチェア10台の歯科医院を開業することはできないので、私は最初は2台から始めました。2台が9台になり、売上を伸ばすために訪問診療を新しく始めました。9台プラス訪問診療で利益は大きくなり、税金を払うくらいならと分院を出しました。
本院の売上も確保しながら分院でも売上を伸ばしていき利益を出し、さらに分院を出すことを繰り返し規模を広げてきました。
「なぜ私たちが出した利益で分院展開するのですか?」と分院の新規オープンのときに女性スタッフに聞かれたことがあります。苦しい時期に支え合って今の医院を一緒に作ってきたスタッフたちです。利益が出ているのであればボーナスに入れてほしいと思うのは当然のことです。私は次のように説明しました。
「規模が小さいところだと、今のような福利厚生も退職金も実現できなかったけれど、2つの医院があれば充実させることができる。多めに人数がいれば、みんなが有給休暇を取れるし、人が抜けたときに違う医院から人を回せるメリットもある。ある程度の給与も出したいから分院も出して経営を安定させなければいけない」
するとスタッフたちは納得してくれました。もしも「そういう経営方針だから」とか「大きくしたいから」だけの説明だったらスタッフたちは納得できなかったと思います。スタッフの休みや待遇のためだという私の説明を聞いて納得してくれました。
利益を出すために規模を広げたことは正しい選択でした。なぜなら1医院では大きな利益にはならず、分院展開をしていったことで売上・利益ともに伸ばし、人員を確保できるようになり、経営を安定させることができたからです。
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