良い歯科医院は「実際に足を運んで」見学させてもらう
女性スタッフの能力を活かし利益率の高い診療システムが出来上がり、少しずつ医院の経営は上向きになりました。ですが分院を増やすことを考えていたので課題は常にありました。
そこで私は良い歯科医院があるという話を聞くと、全国どこでも見学に行って見せてもらうことにしました。見学の依頼を出し了承してもらえれば見に行きます。経営者としては経営的な目標をもち、歯科医師としては技術的な目標をもって見学させてもらいます。
見学後には、私が普段考えていることと照らし合わせて良いなと思ったところを詳しく聞きます。私たちより一歩二歩先を行く医院ですので、どういったいきさつでそうなったのかを質問したり、私たちに欠けているものは何なのかを考えたりできます。
例えば、見学先の医院では単にイベントをやるだけではなく、地域の人を巻き込んだり地域貢献まで考えていたり、宣伝効果も狙ったイベントを行って団結を深めたりしていました。
また企業型保育所をいずれは開設したいと思い、実際に保育園をやっている歯科医院を見学させてもらったことがあります。その医院の歯科医師は福利厚生のために始めたと話していました。このような歯科医院の見学は、私の願う未来がすでにかたちとなっていて、はっきりと目にすることができとても参考になります。
保育園をやりたい気持ちはありますが、実際に一歩踏み出すのはまた別のことですので、すでにやっている先生に「どうすれば勇気を出して一歩踏み出せますか」と聞いて、方法とメンタル的なことの両方を教えてもらいます。
ほかには人員の確保はどうしているかと質問すれば、「うちも人員確保には困った時期がありました」と答えてもらえて同じ道を通ってきたのだと分かります。
成長している歯科医院は、しっかりとした福利厚生を整備し、休暇の取得率を上げて明確な給与を与えること、そして健全な経営をしていることも実際に現地を見て話を聞いて分かりました。
ただ最近のニュースでは地域によっては保育園が過剰で閉園も見受けられるようになったとも聞きます。検討している間にスタッフの子どもたちはどんどん成長し、周りにたくさん保育園もできたので必要ないのかなと考えることもあります。
村瀬 千明
歯学修士
日本矯正歯科学会認定医