(※写真はイメージです/PIXTA)

10年前と比較すると徐々に減少傾向にあるものの、それでも依然コンビニより多い歯科医院。生き残るためにはさまざまな観点から経営戦略を立て、それを実施していくことが求められます。こうした競争の厳しい歯科医院の業界で、4つのクリニックを運営する日本矯正歯科学会認定医の村瀬千明氏は、「歯科医院の経営には女性スタッフが不可欠」といいます。それはなぜか、みていきましょう。

育児はブランクではなく「キャリア」

古くからマルチタスクは女性のほうが得意だと思われてきましたが、実は「性別に関係ないこと」がドイツのアーヘン工科大学の研究により明らかになっています。

 

男女平等が叫ばれて久しいですが、まだまだ家庭で女性が家事や育児などを担う比率は高いのが現状です。女性がマルチタスクが得意になるのは必要に迫られるからです。家事や育児を経験した女性は、限られた時間のなかで山のようにある目の前のタスクを効率的にこなす方法を自然に身につけています。

 

実際は考えているヒマがないくらい同時並行的に次から次へと仕事をこなさなければならない状況にあるからです。

 

また子どものトラブルは突発的に起こるので、想定外の出来事にも対応したり時間や手間を取られても帳尻を合わせたりすることが求められます。身につくのは効率性だけではなく、直感力や取捨選択する力、調整する力も養われるのです。

 

そのため女性は職場でも常にいちばん効率良く仕事をするにはどうすればいいかという考えのもと仕事をすることになり、生産性の向上が見込めます。

 

育児はキャリアととらえることができます。多くの人は育児休業を仕事のブランクと言いますが、子育て経験者のほうが子どもや親の状況を理解しやすいため、歯科では育児経験は能力の一つともとらえられます。

女性の「共感力」が歯科医院に好影響

ほかにも女性の特性としてよくいわれるのが「結果よりもプロセスを大事にする」ということです。女性はトラブルの渦中にいる人に共感し、問題の一つひとつをクリアしていこうとする傾向にあります。

 

つまり人に寄り添い共感しながら問題を解決していくのです。歯科医院での仕事は細かいので、一つひとつの処置を丁寧にすることで全体の完成度が高くなるはずです。美は細部に宿るという言葉のとおり、歯科医療はまさに細部の丁寧さの積み重ねだと思います。

 

コミュニケーションにおいては、そもそも女性と男性では、話すときの脳の使い方が異なることが分かっています。「井戸端会議」という言葉があるように、女性は複数の人が同時に違う話題の話をしても、それぞれの話をちゃんと理解できています。

 

もちろん個人差があり、すべての女性がこのような特性をもっているとは限りません。あくまでも特徴ではありますが、人材活用という観点からも傾向として知っておくことで、女性スタッフの考えや行動を理解しやすくなります。

 

 

村瀬 千明

歯学修士

日本矯正歯科学会認定医

 

※本連載は、村瀬千明氏の著書『歯科医院の成功は女性スタッフで9割決まる』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

歯科医院の成功は女性スタッフで9割決まる

歯科医院の成功は女性スタッフで9割決まる

村瀬 千秋

幻冬舎メディアコンサルティング

日本では歯科医師の数が年々増え続けており、歯科医院は競合が激しいなかで生き残っていく必要があります。 しかし、歯科医院は歯科医師の高い技術さえあれば経営が成り立つほど単純ではなく、実は女性スタッフの働きこそが…

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