※画像はイメージです/PIXTA

企業はどこも優秀な人材を確保したいと、採用活動を進めているでしょう。しかし入社後「なぜこんな人材を雇ったのか……」と嘆くことも少なくありません。今回は入社後のミスマッチを防ぐため、「採用面談」で見極めるべき2つの評価軸について解説します。

 

採用の合否を決めるうえで重要な「2つの評価軸」

ここからは、採用の合否を決めるうえで重要になる2つの評価軸を紹介します。スキルセットとマインドセットです。それぞれ、下記のとおりです。

 

スキルセット:職務遂行に必要な技能、経験、専門知識、コミュニケーション力など

マインドセット:コミット力、雰囲気、人柄、企業文化へのフィット感など

 

スキルセットは、比較的面接官でも判断しやすいでしょう。問題は、マインドセットです。新入社員が、入社前に「できる」といっていたことが全然できないということがよくあります。それは、面接官が候補者1人ひとりのマインドセットを見抜くのが難しいからにほかなりません。

 

候補者のマインドセットを見抜くため、8つの軸に分解しました。

 

・自己評価

・組織内位置認識

・結果明確

・成果視点

・免責意識

・変化意識

・行動優先意識

・時感覚

 

特に注意してチェックしたほうがよいのが、「自己評価」と「組織内位置認識」です。

 

自己評価は「自分の評価は自分が決めると考える意識」のこと。自己評価の度合いが強いと、自分を客観視できず、主観に基づいて自己を評価してしまいがちです。自己評価の強い人は、年齢を重ねると極めて治りにくい傾向があるといえるでしょう。私たちの日々の経験からみても、自己評価の強い人を面接でフィルタリングするだけで、入社後の苦労はかなり少なくなります。

 

では、自己評価が強い人を見抜くにはどうすればいいでしょうか。中途採用の場合、「過去に全力で取り組んだ仕事とその達成度を教えてください」という質問をしてみてください

 

この質問を40歳の応募者に投げかけ、「お客さまに喜んでいただけたことです」と返答があったとします。これは単なる自分の見解であり、自分を客観的に評価できていません。逆に客観的に評価できる人は「毎月何件成約しました」といった事実を述べます。答えが候補者の見解なのか、それとも事実に基づいた回答なのかで、自己評価の度合いを測定できます。

 

面接官が表面的な質問に終始してしまうと、候補者を正しく認識できません。そうならないためにも、過去の話を中心に質問していくことを心がけてください。たとえば、失敗したときに、どのようにして改善したか、そのプロセスを分析して行動に移せている人は、自分を客観的に捉えられている人だといえます。これができていない人は、「気合いで乗り越えました」とか「周囲のサポートによって」など、曖昧な表現をする傾向にありますので、注意が必要です。

 

もうひとつの「組織内位置認識」は、簡単にいうと上下関係です。この組織内位置認識が弱い人には、自分は賢いと勘違いしていたり、自社の批判や批評を繰り返したり、上司を上司として認めず指示を聞かないなど、とにかく厄介な態度や、勝手な考えをする人が多いです。また、スキルセットが優秀で一見よい人材に見えても、組織内位置認識が弱いと、組織全体にはマイナスになるリスクがあります。

 

採用は、あくまでも組織の成長のための、一機能に過ぎません。そのためには、採用したいポジションの枠(役割)を明確に設定し、いつまでに、どのような状態を求めるのかを評価制度で表現してあげること。つまり、社内外で認識のずれをなくすことが肝心です。

 

 

田中 慎一

株式会社識学

大阪営業部 大阪2課 課長 シニアコンサルタント

 

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