特殊な間取りの「建物」、特殊な形をした「土地」といった「難あり」の不動産物件は価格が低くなる傾向があります。しかし、発想を転換して売り出し方を変えることにより、思わぬ高値がつくこともあります。建物も土地も「難あり」だった東京都墨田区の自宅を、当初査定価格の1.5倍の高値で売却することに成功した三田さん(女性・60代※仮名)の事例を紹介します。

「売却」にとらわれないからこそアイデアが出る

売却をせずに、アパートを建てて収益事業を営むという、エージェントBからの意外なアイデアに、三田さんは驚いていました。

 

普通の不動産会社であれば、売ることを前提とした提案をするはずです。売らなければ手数料が入らないのですから、売却は当然のゴールなのです。しかし、不動産エージェントは売主にとって最大の利益になる方法を探し提案するのが最善であるという理念を抱いています。だからこそ、これまでの相談先からは出てこないようなセカンドオピニオンを出すことができるのです。

 

現地調査の結果からアパートとしてのニーズは非常に高く、すぐに入居者がつき安定した収益をもたらしてくれることを説明したものの、三田さんは納得しません。本人が言うには、「月々の収入が入るのはありがたい話だが、これから遠方に引っ越す予定で行き届いた管理ができるか不安なためやはり売却したい」ということでした。

 

三田さんの返答を受けて、エージェントBはさらなる提案をしました。それは、これまでは建売用地として販売していたものを、アパートを建てるための収益物件として販売するというものです。アパート用の土地を探している方の目に留まれば、買取業者の査定価格よりも高値で売ることができるかもしれないと考えたのです。

 

具体的な手法については、まず広告の内容を変更します。アパート用地として買うとして、建物の解体費用はいくらになるか、どのくらいの規模を建てられるのか、さらに収益としてはいくらくらいが期待できるのかこちらで先手を打って参考値を出して、アパート用地を探している方への訴求力を高めるのです。

 

そのためにはさらなる現地での調査が必要です。三田さんの不動産の価値を高めるためには、この手間を惜しまないことが重要であることをエージェントBは力説しました。その結果、三田さんは、エージェントBに引き続き調査を継続してもらい、準備が整い次第販売してもらうよう依頼したのです。セカンドオピニオンとして、意見を出す立場の関係から始まった縁ですが、エージェントBの提案に納得してもらい、売り出しまでサポートすることが決まりました。

 

 

大西 倫加
さくら事務所 代表取締役社長
らくだ不動産株式会社 代表取締役社長
だいち災害リスク研究所 副所長

 

長嶋 修
さくら事務所 会長
らくだ不動産株式会社 会長

悩める売主を救う 不動産エージェントという選択

悩める売主を救う 不動産エージェントという選択

大西 倫加,長嶋 修

幻冬舎メディアコンサルティング

不動産売却を検討する人は必読の一冊! 後悔したくなければ「不動産エージェント」を選択せよ! 売主第一主義か?自社利益最優先か? 不動産業者は千差万別! 正しいパートナー選びが売却の成否を分ける――

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