(※写真はイメージです/PIXTA)

莫大な資産を保有する日本の富裕層は、近年大きく変わった……海外移住のサポートを行い、これまで2万人を超える富裕層をみてきた大森健史氏は、そう実感しているといいます。いまどきの“シン富裕層”の実態とは? 今回は、インターネットを駆使して富裕層となって人たちを中心にみていきます。

ゲーム感覚で20億稼ぐ「ネット情報ビジネス」型

【最近の富裕層にみられる5タイプ】
①ビジネスオーナー型
②資本投資型
③ネット情報ビジネス型
④暗号資産ドリーム型
⑤相続型
(参照記事『普通の人に見えて大金持ち…現代の富裕層、5つのタイプ』

 

シン富裕層の中でも「③ネット情報ビジネス型」は、「インターネットを活用し、株式投資や情報商材、動画配信などの新しい分野にいち早く飛び込み稼いできた、ファーストペンギンタイプ。決断が速い。情報入手にお金をかける。ビジネスを一人から少数で行い、外注をうまく使ったマイクロビジネスをしているため、フットワークが軽く、海外にも軽いノリで引っ越す人が多い」という人たちです。

 

インターネットを使った株の売買が可能になったばかりの2002~2003年頃から、株式投資に専念し、100万円を20年弱で20億円にしたという男性が、海外移住の相談に来ました。

 

彼は東京の一流私大に入学した直後に大病を患い、大学に通えなかったときに、時間を持て余して株の売買を始めてみたといいます。

 

最初の1年は失敗続きで、元手の100万円がなくなりそうにもなりました。しかしその後儲かったり損をしたりを繰り返し、株式投資にひたすら専念するようになってから増え始めました。結局大学は中退し、実家に戻って、ひたすら個別株の売買に専念したといいますから、完全にプロのトレーダーです。

 

ライブドア・ショック(2006年)で数億円を失いましたが、その後も頑張って、リーマン・ショック(2008年)のときはあまり損をせず増やすことができ、アベノミクス(2013年~)で一気に増やし、資産が20億円に達したそうです。

 

彼は何事にも淡々としていて、特にこだわりのある趣味もないとのことで、30代後半の独身で、株式投資を延々とすることだけが楽しいとのことでした。株も、儲かったとか損したとかで大騒ぎせず、数字が増えると嬉しいな、とゲームのような感覚で取り組んでいました。だからこそ、乱高下する株の世界で勝ち続けられるのでしょう。

 

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※本連載は大森健史氏の著書『日本のシン富裕層』(朝日新書)より一部を抜粋・再編集したものです。

日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか

日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか

大森 健史

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