(※画像はイメージです/PIXTA)

会社の社長・役員のボーナスは原則として会社の経費(損金)にすることができません。しかし、例外があり、場合によっては決算対策に活用することもできます。また、社会保険料の削減の手段として用いられることがあります。本記事ではその方法「事前確定届出給与」の制度について、活用法と注意点等を解説します。

社長・役員の給与・ボーナスが経費にできる条件

ボーナスのみならず、社長・役員の給与は原則として会社の経費(損金)に算入することができません。その理由は、役員給与を恣意的に大きくして損金算入し、利益操作をすることによる「課税逃れ」を防ぐためです。

 

しかし、例外的に、損金算入が認められることがあります。それは以下の2つです。

 

・毎月一定額を支払う場合(定期同額給与)

・ボーナスの額・支給時期をあらかじめ決めて税務署長に届出する場合(事前確定届出給与)

・会社の業績によって支給額を変動させる場合(利益連動給与)

 

これらの場合には、あとになって役員給与の額を恣意的に大きくして損金算入額を操作し、課税逃れが行われるおそれがないので、損金算入を例外的に認めても差し支えないということです。

事前確定届出給与の手続

事前確定届出給与を支給するには、以下の手続を経る必要があります。

 

・株主総会等での意思決定

・税務署長への届出

 

◆手続1. 株主総会等での意思決定

まず、株式会社であれば株主総会、合同会社等であれば社員総会を開き、支給日、支給金額、支給対象者を定める必要があります。

 

◆手続2. 税務署長への届出

次に、税務署長への届出が必要です。

 

必要書類は「事前確定届出給与に関する届出書」と、支給時期・支給額等を記載した「付表」です。いずれも書式は国税庁のHPからダウンロードできます。

 

事前確定届出給与に関する届出書」には以下の事項を記入します。

 

・決議をした日・決議をした機関等

・事前確定届出給与の対象となる職務の執行を開始する日(定時株主総会等の日)

・事前確定届出給与等の状況(「付表」の番号を転記)

・定期同額給与としない理由・支給時期の理由

・届出期限

 

これらのうち、「定期同額給与としない理由・支給時期の理由」については、資金繰りの都合や、従業員の賞与とタイミングを合わせたいなどの理由が考えられます。

 

「届出期限」については、以下の通りです。

 

【既存の会社】以下のうちいずれか早い日

・「株主総会等の決議の日」または「職務執行を開始する日」のいずれか早い方から1ヵ月を経過する日

・会計期間開始日から4ヵ月を経過する日

 

【新設の会社】

・設立日から2ヵ月を経過する日

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