香港はハイテク株が牽引し2日続伸
27日のハンセン指数は朝方から、一段と買い戻しが入り、一時は上昇率が前日比3%強に達した。主要銘柄が相場を牽引し、Eコマースの京東集団(9618)は5.9%高、アリババ(9988)は4.1%高、PC大手のレノボ(0992)は3.5%高、導体製造のSMIC(0981)は3.6%だった。
ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は3日続伸、前日比1.11%高で引けた。スマホ部品メーカーの瑞声科技(2018)は6.2%高、半導体ファウンドリーの華虹半導体(1347)は6.0%高、オンラインチケットのTrip.com(9961)は4.4%高で引けた。
しかし、昨日に続いて、引けにかけては上げ幅を縮小して引けた。中国の新指導部による経済や対外政策を巡る不透明感は根強く、買いが続かない状況である。ハンセン指数は結局、前日比0.72%高で引けて続伸した。
中国国家統計局が発表した1-9月の工業部門企業利益は、前年比2.3%減少と、前月までの2.1%から減少ペースが加速したことも買いの手を鈍らせた。このため、本土不動産株が下落。
不動産株で構成されるハンセン本土不動産指数は前日比2.96%安と市場をアンダーパフォームした。中国不動産開発大手の碧桂園(2007)は8.3%安、不動産開発の龍湖集團(0960)は5.1%安、碧桂園服務(6098)は4.5%安だった。
中国株はコロナ対策への疑念や不動産の低迷が重石に
本土株市場は上海総合指数は前日比0.55%安の2,982.90、CSI300は0.70%安の3,631.14で引けた。香港株同様に、朝方は買い戻しがみられるも、勢いが続かず上海総合指数は節目の3,000ポイントを割った。
中国株の方向感が定まらない状況が続いている。新型コロナウイルス対策や不動産市場の低迷が引き続き経済の重石となっている。
長谷川 建一
Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>