(※写真はイメージです/PIXTA)

癌治療でも外科でも、救急の現場でも美容分野でも、「医療の名の下の犠牲」が発生する構造が、残念ながら日本の医療にも存在する。これらは何故発生し、どう事前に防げるのか。「美容医療国際職人集団」と言われるJSAS会員であり、高須克弥医師の孫弟子にもあたる医療法人美来会理事長、九野広夫医師に解説いただく。氏は、美容医療の他院修正専門医院を立ち上げ、不幸な医療事故や医療過誤を数多く目にしてきたその道のスペシャリストである。

4Dハイブリッド 自己組織充填&新挙筋法 同時手術

症例:30歳日本&アジア系ハーフ女性 他院埋没法による軽度医原的眼瞼下垂

他院手術歴:25歳時 両瞼 上眼瞼脱脂&埋没法(LS法) 隆鼻 I型プロテーゼ挿入術

希望デザイン:下記写真の顔面デザインに加えて目尻切開および眼瞼下垂治療の新挙筋法デザイン

方法:VASER 通常モード脂肪吸引(頬~下顎)&全顔面自己組織(幹細胞)無制限注入&目尻切開&新挙筋法

リスク・合併症:内出血・炎症(発赤・熱感・腫脹)・線維化等、ごく稀に糸露出・感染・後戻り・麻酔アレルギー等

Dr.コメント:この方は2010年8月20日に当院にて上記手術を行った全顔面モニター様です。当院HPに11年以上も掲載されている方ですが、その後年に2~3回程度別件のメンテナンスのために当院に通院されています。勿論この後には大きな美容整形手術は院内外でも全くされておりませんが、2021年9月20日にご来院された際の写真も得られました。

 

ご本人様曰く「メイクの仕方は年齢相応に変わったけど、あれから見た目が歳を取っていない気がします」と。軽度眼瞼下垂についてはこの時の手術1回のみで、上眼瞼の多重ラインとクボミとタルミが改善され、良好で自然な開眼度が継続されています。

全国の形成外科医・眼科医・美容外科医の先生方へ

医原的眼瞼下垂、過矯正、兎眼、ドライアイ、開閉眼障害、表情筋群の左右差や不随意運動、随伴頭痛等…先生方が行った全切開二重形成や眼瞼下垂治療で、前回の本連載記事でご紹介した数々の深刻な合併症の症例が全国で多発しています。

 

従来法に固執し反論する前に、先ずは先生方が行った眼瞼下垂治療後の多岐に跨る合併症を治す治療法(再切開や再切除、皮膚移植やステロイド注射、脂肪やヒアルロン酸等の注入、レーザー照射等を一切せずに、これら切開瘢痕やそれに随伴する様々な合併症を治す有効な方法)を術前に患者さまたちへご提示ください。

 

もしも、先生が「治せない」または「代案が無い」と仰るのなら、外科医にとって最も不名誉な「悪徳医師」の謗りを受け続ける覚悟が必要になるでしょう。患者さま方の術後の私生活や予後にまで責任が取れなければ、結局独善的で一方的な加害者に成り下がり、患者さまを全人的治療する資格は今後SNS世代から事実上剥奪され、淘汰されてゆくのかも知れません。

 

上手くいった成功体験だけをチャンピオン症例として挙げても、実際の被害者の面前では全くの無意味です。「経過をみましょう。少しずつ改善します」という逃げ口上の時間稼ぎフレーズは、本記事が公開された後の時代にはもう通用しなくなってくるでしょう。多くの患者さまは数ヵ月間も、時には数十年も泣き寝入りしているのです。目を背けずにこの機会にぜひ一度、真剣に考えてみて下さい。

 

今後本連載記事で切開瘢痕を治す新治療法についても述べて参りますが、それが開発されたからと言って挙筋前転法や短縮術、眉下切開等を安易に施術していいということにはなりません。私が開発した「メスを用いない切開瘢痕解除治療法」にも、やはり適応と限界、手遅れ、或いは治療回数が年余にわたる難治性症例も存在しているからです。

 

九野 広夫

医療法人美来会 理事長

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