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売り手にアドバイスを求めるのは、時として危険行為に
洋服を買うとき、売り場の店員にアドバイスを求めるのは危険かもしれません。店員は、顧客のために仕事をするのが基本ではありますが、同時に店の利益も考えているわけで、場合によっては、利益率の高い商品を売ることでボーナスが増えるような店もあるかもしれません。
そうなると「お客様にぴったりです」というひとことも、「当店でいちばん利益率が高い商品です」と翻訳できるかもしれません。「よく売れております」というひとことにも「〈利益率が高いため、私たちがお客様に熱心に進めていることから〉よく売れております」というフレーズが隠されているかもしれないのです。
金融商品も同様ですね。洋服の場合は、自分で好みもあり、似合うか否かもある程度判断できますが、金融商品の場合には「投資のことはよくわからないので、専門家にいろいろと教わろう」という人が多いでしょう。そのぶんだけ、売り手は好きなように顧客を誘導しやすいわけです。
「中立を装う無料アドバイザー」に注意！
売り場の店員であれば、こちらもある程度警戒心を持って対応するでしょうが、中立を装いつつ、実は自分の売りたい商品を売ろうとしている人も大勢いるので要注意です。
「保険のことならなんでもご相談下さい。相談料は無料です」という人がいるとして、その人は慈善事業をしているのでしょうか。そうでないとすれば、その人の収入源はどこでしょうか。
筆者の好きな言葉に「相手の立場で考える」というものがあります。「自分が見知らぬ人の相談に無料で乗るとしたら、どういう場合だろうか？」と考えてみるのです。大変なお人好しで社会貢献に生きがいを感じているのかもしれませんが、そうでないなら、詐欺商品を売っているのかもしれません。
いちばんありそうなのは、だれかの商品の販売を請け負っていて、売れたら手数料がもらえるという契約です。販売員として接すると客に警戒されるので、中立的なアドバイザーを装って客を安心させよう、ということかもしれませんね。
そうした場合、手数料のいちばん高い商品を優先的に勧められる可能性があるのも問題ですが、「自分に必要のない商品」を買わされることがあるかもしれません。
しかし、それよりさらに問題なのは、リスクのある商品を勧められる可能性です。リスクとリターンについて正しく認識してから買うならいいのですが、「リスクはよくわからないけれど、熱心に勧められたから買う」という人もいるでしょうから。
