(※写真はイメージです/PIXTA)

就職氷河期世代への支援が喫緊の課題として叫ばれて久しく、行政も積極的な取り組みを行っています。では氷河期に就職活動を行うことはどれほどまでに過酷だったのでしょうか。政府調査をもとに解説します。

就職氷河期の実態

バブル崩壊とともにおとずれた就職氷河期。経験した世代は、のちにマスコミから「ロストジェネレーション(失われた世代)」と呼ばれ、雇用や景気などの経済史と結びつけられてしばしば論じられています。

 

では、日本が90年代に経験した不景気とは一体いつからいつまでなのでしょうか?

 

内閣府の景気基準日付によると、下記のように示されています。

 

1.    1992年(平成3年)3月〜1995年(平成5年)10月までの43か月間
2.    1997年(平成9年)10月〜1999年(平成11年)4月までの18か月間
3.    2000年(平成12年)12月〜2002年(平成14年)5月までの17か月間

 

それぞれ第1次平成不況、第2次平成不況、第3次平成不況と呼ばれており、おしなべて、1992年〜2002年の10年間が、バブル崩壊後の「不景気」であることが分かります。

 

また、内閣府の景気基準日付はバブル崩壊期間を、1991年3月〜1993年10月までの景気後退期と指し示しています。

 

氷河期世代とは1993年〜2004年に学校卒業期を迎えた人たちで、高卒なら1975年から1986年生まれで、2022年時点では36〜47歳。大卒なら1971年から1982年生まれで、2022年時点では40〜51歳の人たちを指します。


では、就職氷河期の厳しさはどれほどのものだったのかデータをもとに確認していきましょう。

 

【図表1】有効求人倍率と完全失業率の推移(厚生労働省)

 

上記の【図表1】に記されている有効求人倍率は厚生労働省職業安定局雇用政策課による「職業安定業務統計」、完全失業率は総務省統計局による「労働力調査」を出所としています。

 

1993年〜2004年の11年間と、直近の11年間である2009年〜2020年を比較してみると、前者の就職氷河期と呼ばれる期間は低水準での横ばいがひたすら続いていたことが分かります。

 

一方、後者の11年間は「リーマン・ショック」により世界的金融危機に襲われた2008年の翌年である2009年を基点に、右肩上がりを続け、2019年12月にピークを迎えます。2020年に入り、新型コロナウィルスの拡大が急速に経済活動が縮小されたことで急降下しますが、それまでの上げ幅はコンスタントであり順調に回復傾向にあったことが見て取れます。

 

2020年以降の新型コロナによる影響は深刻であり、2020年6月には有効求人倍率を1.11まで下げています。これは2014年10月以来、実に約6年ぶりに記録された数値であり、6年かけてこつこつ回復に向かっていた景況がたった半年で失われたことを指し示しています。両期間は実に対照的であることが分かります。

 

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