【糖尿病】「高GI食品=食べちゃダメ」とは限らない!「OK食品、NG食品」がわかる“現実的な指標”

【糖尿病】「高GI食品=食べちゃダメ」とは限らない!「OK食品、NG食品」がわかる“現実的な指標”
(※写真はイメージです/PIXTA)

糖尿病というと「アレもコレも食べられなくなる」というイメージがありますが、食事内容に関する知識があれば、意外と食べられるものが多いことに気がつきます。総合内科専門医・團茂樹医師(宇部内科小児科医院 院長)が、「GI値」を始めとする「血糖コントロールに関わる指標」をわかりやすく解説します。

GL値について

食後血糖値に影響するのは、実際の食品中のGL値(glycemic load:ブドウ糖換算量)です。一般的にGL値は、次のどちらかの条件下で報告されています。

 

GL値=食品1人前中の炭水化物量×GI値

 または

GL値=食品100g中の炭水化物量×GI値

 

<GL値の問題点>

❶食品100gでの報告なのか、食品1人前なのかわかりにくいときがあります。

 

❷食品1人前の報告でも、報告機関によっての1人前が異なっていることがあります。

 

❸実際に摂取する量においてのブドウ糖換算量を求めないと、血糖値への影響がわかりません。

GI値やGL値より“現実的”な指標、「wtGL」

※これから述べる「wtGL値」「CI値」「RGI値」は筆者の造語です。ネットで調べてもわかるものではありません。

 

ⅰ)「wtGL」値とは?

「実際に食べる量」でのブドウ糖換算量を評価するほうが現実的だと思い、「wtGL(weightGL)」という指標を考えました(注:血糖変動が引き起こされるには、少なくともブドウ糖換算量5g~10g以上は必要だと考えています)。

 

ついでに言いますと、その根拠はここでは省略しますが、糖尿病の人の治療にあたって「1食中のwtGL(ブドウ糖換算量)」は50gを超えないように指導しています。

 

ii)「CI値」とは?

CI(carbohydrate index)値とは、食品中の炭水化物(または糖質)の含有比率です。

 

これは食品それぞれで一定と考えられます。たとえば白米150gの場合、糖質は55gと報告されています。

 

CI値=55÷150。この比率は白米固有の比率と考えます。CI値は、食品の重さと炭水化物量(または糖質量)がわかれば、「目的食品の糖質量÷食品量」で算出できます。

 

ⅲ)「RGI値」とは?

RGI(relative glycemic index)値は、食品中のブドウ含有比率を意味します。RGI=CI×GIで求められます。

 

先程も述べたように、GI値は食品に含まれる炭水化物(または糖質)中のブドウ糖換算比率です。GI値に関してはネットで多くのデータを見つけられますので、検索してみてください(*ご参考:ネットでもわからないときは、炭水化物食に関しては「炭水化物量〔または糖質量〕に0.7くらいをかけた値」がブドウ糖量と考えておいて大きな誤りはないでしょう)。

 

そして、このRGI値に「実際に食する食品の重さ(g)」をかけると、wtGL値を求めることができます(wtGL値=実際に食する食品の重さ〔g〕×RGI)。

 

【図表】に穀物の一部でRGIを求めたものを列記してみます。ほんの一例ですが、みなさんも各RGI値に食品摂取量をかけるだけでwtGLがわかります。

 

【図表】RGIの例(穀物)
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