GL値について
食後血糖値に影響するのは、実際の食品中のGL値(glycemic load:ブドウ糖換算量)です。一般的にGL値は、次のどちらかの条件下で報告されています。
GL値=食品1人前中の炭水化物量×GI値
または
GL値=食品100g中の炭水化物量×GI値
<GL値の問題点>
❶食品100gでの報告なのか、食品1人前なのかわかりにくいときがあります。
❷食品1人前の報告でも、報告機関によっての1人前が異なっていることがあります。
❸実際に摂取する量においてのブドウ糖換算量を求めないと、血糖値への影響がわかりません。
GI値やGL値より“現実的”な指標、「wtGL」
※これから述べる「wtGL値」「CI値」「RGI値」は筆者の造語です。ネットで調べてもわかるものではありません。
ⅰ)「wtGL」値とは?
「実際に食べる量」でのブドウ糖換算量を評価するほうが現実的だと思い、「wtGL(weightGL)」という指標を考えました(注:血糖変動が引き起こされるには、少なくともブドウ糖換算量5g~10g以上は必要だと考えています)。
ついでに言いますと、その根拠はここでは省略しますが、糖尿病の人の治療にあたって「1食中のwtGL(ブドウ糖換算量)」は50gを超えないように指導しています。
ii)「CI値」とは?
CI(carbohydrate index)値とは、食品中の炭水化物(または糖質)の含有比率です。
これは食品それぞれで一定と考えられます。たとえば白米150gの場合、糖質は55gと報告されています。
CI値=55÷150。この比率は白米固有の比率と考えます。CI値は、食品の重さと炭水化物量(または糖質量)がわかれば、「目的食品の糖質量÷食品量」で算出できます。
ⅲ)「RGI値」とは?
RGI(relative glycemic index)値は、食品中のブドウ含有比率を意味します。RGI=CI×GIで求められます。
先程も述べたように、GI値は食品に含まれる炭水化物(または糖質)中のブドウ糖換算比率です。GI値に関してはネットで多くのデータを見つけられますので、検索してみてください(*ご参考:ネットでもわからないときは、炭水化物食に関しては「炭水化物量〔または糖質量〕に0.7くらいをかけた値」がブドウ糖量と考えておいて大きな誤りはないでしょう)。
そして、このRGI値に「実際に食する食品の重さ(g)」をかけると、wtGL値を求めることができます(wtGL値=実際に食する食品の重さ〔g〕×RGI)。
【図表】に穀物の一部でRGIを求めたものを列記してみます。ほんの一例ですが、みなさんも各RGI値に食品摂取量をかけるだけでwtGLがわかります。