【糖尿病】「高GI食品=食べちゃダメ」とは限らない!「OK食品、NG食品」がわかる“現実的な指標”

【糖尿病】「高GI食品=食べちゃダメ」とは限らない!「OK食品、NG食品」がわかる“現実的な指標”
(※写真はイメージです/PIXTA)

糖尿病というと「アレもコレも食べられなくなる」というイメージがありますが、食事内容に関する知識があれば、意外と食べられるものが多いことに気がつきます。総合内科専門医・團茂樹医師(宇部内科小児科医院 院長)が、「GI値」を始めとする「血糖コントロールに関わる指標」をわかりやすく解説します。

糖質には「血糖値に影響するもの、しないもの」がある

ちなみにこれだけは知っておいてください。

 

炭水化物とは「糖質+食物繊維」。

糖質とは「ブドウ糖+果糖+ガラクトース」。

 

このうち血糖値に影響するのは、ブドウ糖と果糖です。本稿では説明を割愛しますが、血糖値に直接影響するのはブドウ糖、果糖は間接的に影響すると理解しておいてください。

GI値とは?

GI値(glycemic index)とは、食品に含まれる炭水化物(または糖質)中のブドウ糖換算比率のことです。

 

ⅰ)「炭水化物が主体の食品」単体のGI値

たとえば、ご飯やパン、各種麺類、果物などについて主に調べられています。

 

本来はこれが狭義のGI値です。ネットではこちらの情報は豊富です。原則としてその食品自体のGI値は一定です。ただし報告機関によっては幾分かの誤差はあります。

 

ii)総合的GI値(料理としてのGI値)

炭水化物量は同じでも、炭水化物食品を単独で摂るより、タンパク質や脂肪主体の食品を追加摂取するほうが総合的GI値は低下します。たとえばご飯1膳を単独摂取するよりも、同量のご飯1膳に魚や肉など追加するなどです。

 

炭水化物量は同じでも総合的GI値が下がる理由は次の通りです。

 

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①肉や魚からのインスリン分泌効果が期待できます。

 

②肉や魚に含まれる脂肪やタンパクによるご飯由来のブドウ糖吸収抑制効果が期待できます。

 

③魚や肉に含まれるブドウ糖量は無視できます。醤油を含むほとんどの調味料も、通常量であればブドウ糖量としてはほぼ無視できます。

 

調味料の糖質量としては通常量でもやや多く計算されるものはありますが、ブドウ糖換算量としてはほぼ無視できます。例外として、カレーのルーは少しだけ気にかけてください。

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総合的GI値、つまり料理についてのGI値の報告は、いろんな条件が複雑に絡むので多くはありません。主治医によく説明してもらってください。

 

<GI値の問題点>

❶GI値を求めるときには、同量のブドウ糖との比較計算をするために、食品によっては通常摂取量をはるかに超えて調べることがあります。

 

❷GI値は食品中のブドウ糖換算量を表しているわけではありません。あくまで比率を表しているのです。

 

ご参考までに、人参はGI値が高い(70との報告がある)とされていますが、人参に占める炭水化物含有量は10数%にしかすぎません。そのため、たとえば一度に30g程度食べるのか300g食べるのかによって、血糖値に与える影響はまったく異なってしまいます。30g程度食べたとして計算しても、炭水化物としては3g強にしかなりません。さらに、これにブドウ糖換算量を求めるためにGI値をかけるとしたら3g×0.7=2.1gと、まったく血糖値に影響しないことは明白です。

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