(※写真はイメージです/PIXTA)

「生涯ずっと笑って過ごすためのカギ」。医師の北廣美氏は書籍『人生100年時代健康長寿の新習慣』のなかで「健康長寿のための習慣」について解説しています。

(3)副作用のある薬にも注意! 使用している薬を再チェックしてみよう!

 

次に、お薬についてですが、医師に処方してもらった薬を正しく使用していれば問題ありませんが、人によっては副作用があらわれることがありますので注意が必要です。

 

特に注意しなければならないのは、筋肉の緊張を緩める作用のある薬を使用する場合です。というのは、高齢者の場合、夜間にトイレに行くとき、足元がふらついて転倒してしまうことがあるからです。高齢者の転倒は、骨折により寝たきりになったり、打ちどころが悪いと命を落とすことにもつながるため、深刻な問題です。

 

また、高齢者は若い人にくらべて薬物代謝機能が低下しているので、朝方や日中時間になっても薬の効果が持続してしまう「持ち越し効果」と呼ばれる症状が出ることがあります。

 

朝方や日中時間帯にボーッとしていたり、昼過ぎまで寝てしまうような場合は、持ち越し効果を疑ってみる必要があります。

 

睡眠の質の低下やある種の向精神薬の長期使用は、認知症との関係も指摘されていますので、特に高齢者の方にとっては対策が課題です。認知症の中で最も発症率の高いアルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβと呼ばれるタンパク質が蓄積することにより発症する病気です。

 

このアミロイドβは脳が活動したときに発生する老廃物の一種で、ノンレム睡眠中に脳内からの排出が活発に行われるという性質を持っているので、睡眠不足でノンレム睡眠の時間を確保できないとアミロイドβの蓄積が進み、当然、アルツハイマーの発症率が高くなるわけです。

 

昨年(2018年6月)、国立長寿医療研究センターなどの研究チームが、夜更かしをする75歳以上の人は、認知症発症のリスクが高まるとの研究結果をまとめ、日本老年医学会で発表しています。

 

そして、この研究については同年6月13日付の朝日新聞にも掲載されました。認知症の有症者数が急増している現在、認知症発症のリスクに対する睡眠が持つ影響力への注目度は、今後より高まりそうです。

 

 

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北 廣美

1949年、奈良県生まれ。1976年、和歌山県立医科大学卒業。
近畿大学医学部付属病院第一外科、昭和病院外科医長を経て、現在、医療法人「やわらぎ会」理事長。


主な著書
『C型肝炎と乳酸菌』(共著、メタモル出版)
『がんを倒す勝利の方程式』(共著、東邦出版)
『がん治療 重大な選択』(東邦出版)ほか

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『人生100年時代健康長寿の新習慣』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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