オンラインは思っている以上に「脳」を疲弊させる
テレワークが始まって、通勤のストレスから解放されたものの、「なんだか疲れている」と感じたことはないでしょうか。
実は、リモートで対面より疲れを感じている人は少なくありません。
その理由の1つに「長時間モニターを見ている」ことが挙げられます。モニターを見ているだけなら「デスクワーク」と同じですが、見ているものが「動画」であることが異なります。
テレワークの動画は、滑らかには動きません。映像、音声ともに、微妙に「ズレ」が生じます。また、Wi-Fi の調子が悪いときには映像がたびたび止まってしまいます(フリーズ)。
こうしたものを見続けると疲れます。一般に「映像疲れ」と言います。
目や耳がダメージを受けるのは理解できますが、それだけではありません。脳にも想像以上に大きなストレスがかかっているのです。
映像疲れの最大の原因は、「現実との不調和」です。
常に違和感を強いられているのですから、私たちの脳に大きな負荷がかかってしまうのは当然と言えます。
会議を1時間やっているだけだから、対面もオンラインも疲れは同じではないかと思うと、間違います。
対面の場合、多くの参加者がいる会議では、私たちは常に全ての参加者の顔を見ていることはありません。多くはファシリテーターを見ているし、もっと長い時間、資料に目を落としていることもあります。長時間、常に多くの人の表情を読み取っているということはありません。
しかし、オンライン会議では、参加者全員の顔を常に間近で見ているのです。
何人もの表情を読み取るのは、意外と神経を疲れさせるものです。それだけ脳を使っているのだから、仕方がありません。
スタンフォード大学のジェレミー・ベイレンソン教授は「ズームアップされた表情は、見ている人に無意識のうちに圧迫感や恐怖感を与えている」という研究結果を発表しています。
アクション映画を見ているとき、俳優の顔のアップの場面で私たちは実は圧迫感を感じています。それが映画の演出として、効果を上げているのです。
「非日常」を経験したくて、私たちは映画館に足を運びます。非日常ですから、「ズレ」や「異常な感覚」が楽しいのです。
それが「日常」に入ってくると、脳は参ってしまいます。
仕事をしているとき、脳は「日常」の感覚なのです。なので「ズレない状態」を欲しています。しかし、目の前の画面は「非日常」を押し付けてきます。
自然なコミュニケーションを欲している脳にとっては、「ズレ」はストレス以外の何物でもありません。
オンライン会議に参加することは「モニターを見てさえいればいい(=楽)」と考えがちです。しかし、生身の身体にとっては決して楽なことではないのです。
特に脳は常時大きな刺激を与えられ続けているのですから。私たちが自覚していないところで、脳は疲弊しています。少なくとも、「オンラインは対面より疲れる」という自覚は持つといいでしょう。
「脳も疲れてきているだろうから少し休ませてあげよう」という気持ちも生まれてきます。
どのタイミングで休憩を入れ、参加者の脳をリフレッシュさせられるか。それにより、その後の会議の中身が違ってくるでしょう。ファシリテーターの腕の見せどころです。
【重要!】「現実との不調和」が脳を疲弊させている。
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