(※写真はイメージです/PIXTA)

「この間できたと思ったらもう潰れていた」そんな飲食店を見かけたことはないでしょうか。飲食店は参入のハードルが低いため、開業してから5年で半数以上、10年で9割のが潰れてしまうと言われています。公認会計士で税理士の石動龍氏が著書『会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる』(日本実業出版社)で解説していきます。

売上だけでは「利益」が見えてこないワケ

最初のクイズに戻りましょう。ラーメン屋の田中さんとライターの鈴木さんは、どっちが儲かっているかわかりません。なぜでしょうか?

 

ラーメン屋は材料仕入が必要です。アルバイトを雇っているかもしれません。水道代やガス代もかかります。売上が100万円あっても、これらを差し引くと手元に残る金額はわずかでしょう。

 

一方、ライターの原価ははるかに低く抑えられます。文章を書いて取引先に納入するのが仕事ですから、パソコン1台あれば自宅でも作業できます。ラーメン屋などの店舗を持つ商売と比べると、コストはかかりません。

 

つまり、商売にかかっている原価や経費を調べないと、どっちが儲かっているかはわからないのです。

 

出所:石動龍著『会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる』(日本実業出版社)より
[図表]どっちのほうが儲かっている? 出所:石動龍著『会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる』(日本実業出版社)より

自己破産をすると「ブラックリスト」に入れられる

ちょっと怖い話をしましょう。私は公認会計士、税理士のほかに、行政書士と司法書士の資格も持っています。司法書士の業務内容は、一般的にあまりなじみがないかもしれません。

 

司法書士の主な仕事は不動産登記で、売買や相続などに伴って土地や建物の名義を変更する手続きを代理しています。そのほかに、裁判所に提出する書類を作成したり、裁判所から選ばれて、身寄りのない人の成年後見人になったりしています。

 

裁判所で行う手続きの中に、自己破産があります。借りたお金を返せないといった場合に、再生を目指すために裁判所が介入して整理を行い、借金を法的になくす手続きです。

 

当然、デメリットもあります。自己破産をすると、いわゆる「ブラックリスト」に登録されます。そのため、当面の間、融資を受けたり、クレジットカードを作ったりすることはできなくなります。

 

たまに、「自己破産したい」という人から相談を受けることがあります。書類に記入するために、借金が増えた事情を聞くことになります。原因はギャンブル、事故による失職などさまざまですが、その中で多いパターンの1つが「商売の失敗」です。

 

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※本連載は石動龍氏の著書『会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる』(日本実業出版社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる

会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる

石動 龍

日本実業出版社

◎ラーメン屋会計士が「儲けを生み出す会計」を伝授! 本書は、公認会計士・税理士として働く傍ら、2020年10月に地元青森県八戸市で「ドラゴンラーメン」を開業した著者による、ラーメン屋を題材にした会計の入門書です。 …

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