(※写真はイメージです/PIXTA)

青森県の石動総合会計法務事務所の代表を務める公認会計士が2020年の10月にラーメン屋「ドラゴンラーメン」を開業しました。公認会計士、税理士、司法書士、行政書士と複数の資格を持つ石堂龍氏が著書『会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる』(日本実業出版社)で解説します。

楽して儲けたいと考えた大学生時代

大学生のころ、お金がなくて毎日のように具なしカレーを食べていました。格闘技や麻雀に熱中して2回留年。ドイツ語の単位が取れず、1年生と同じ授業を6年連続で受けていたのはいい(つらい?)思い出です。

 

ふらふらしてあまりアルバイトもしないのに、1キロ3000円のプロテインは常に買っていたので、いつも貧乏でした。

 

楽をして儲けたい。一日中寝てるだけでお金が増えないかなぁ~。そんなことをボーっと考えていたのを覚えています。

リターンはリスクに比例する

それから20年、いまもそんな方法は見つけられていません。あるとすれば、元手の大変多い資本家が危険度の低い投資を行うパターンでしょうか。

 

トヨタ自動車の配当利回りは近年3%程度で推移しています。なかなかつぶれそうにない、同水準の配当を行う企業の株を1億円分購入すれば、年間300万円の配当金が得られます。株価が下がって損をすることもありますが、比較的安定した収入を得られるでしょう。

 

一方、暗号資産(仮想通貨)のように、大きく儲かる可能性がある投資は、値動きが激しく、リスクも比例して大きくなります。逆にリスクが低いチャレンジはリターンも小さくなります。資本がない人は、可能な範囲でリスクを取り、コツコツと石を積むように努力を重ねることが近道だと思います。

 

近年、働き方が大きく変わり始めました。トヨタ自動車の社長も「終身雇用を守っていくのは難しい」という発言をしていますし、フリーランスや独立を選ぶ人も増えています。一口に独立といっても、選択肢はたくさんあります。儲かりやすい商売ってあるのでしょうか?

 

出所:石動龍著『会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる』(日本実業出版社)より
リスクとリターンを見極めよう 出所:石動龍著『会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる』(日本実業出版社)より

商品を準備するには「原価」がかかる

前回、「利益=儲け」だと指摘しました。つまり、儲かりやすい商売とは、利益を残しやすい商売を意味します。

 

利益をいくつかの要素に分解してみましょう。

 

まず、手元に入ってくるお金です。これを「売上」といいます。ラーメン屋であればお客さんから受け取る食事代金、服屋であれば販売代金、ライターであれば原稿料です。

 

経費がまったくかからない商売はありませんので、ある程度以上の売上がなければ利益は出ません。利益がマイナスになる状態が「赤字」です。

 

ラーメンを作るのには肉や鶏ガラ、煮干、野菜など、たくさんの材料が必要です。服はメーカーから仕入れることが一般的でしょう。

 

このように、商品を準備するのに直接かかった費用を「売上原価」といいます。わかりやすくするため、以下は単に「原価」としましょう。

次ページライターとラーメン屋どちらが儲かるか?

本書は石動龍氏の著書『会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる』(日本実業出版社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる

会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる

石動 龍

日本実業出版社

◎ラーメン屋会計士が「儲けを生み出す会計」を伝授! 本書は、公認会計士・税理士として働く傍ら、2020年10月に地元青森県八戸市で「ドラゴンラーメン」を開業した著者による、ラーメン屋を題材にした会計の入門書です。 …

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