(※写真はイメージです/PIXTA)

給料は上がらないのに、ガソリン代や電気代、食料品はどんどん値上がり──。投資業界では、そうした人々の将来への不安から「少しでも資産を増やしたい」という切実な思いをターゲットにしたマーケティングが盛んです。日本も政府主導で空前の投資ブームと言えるでしょう。しかし、そうして投資行為に着手する前に、一歩立ち止まり、投資の本当の怖さやウラ側についてよく知っておく必要があります。鹿子木健氏の著書『投資で失敗する人 成功する人――あなたの人生を貧しくする投資のウラ側』(自由国民社)から一部抜粋しお届けします。

家計の収入と支出・資産と負債の関係を知る

最近は、株式投資の企業分析や決算書の読み方の本も数多く出版され、簿記やFPなどの資格への関心も高まる中で、「損益計算書(P/L)」や「貸借対照表(B/S)」の見方を知っている人も増えていると思います。

 

損益計算書と貸借対照表の見方は、お金の知識の基本中の基本です。これを飛ばしてお金に関する自己啓発書を読んだり、投資で成功するノウハウを伝えるビジネス書を読んだりしても、お金の本質は理解できないと思います。

 

損益計算書はもともと企業における「収益(売上)」「費用(経費)」「利益(純利益)」の枠組みを用いて収支の実態を表すためのもの、貸借対照表も同様に企業の「資産」「負債」「純資産」の枠組みによって資産状況を明らかにするためのものです。この枠組みは普遍性を持つものですから、家計においても応用することができます(図表1・図表2)。

 

[図表1]損益計算書(勘定式)のイメージ
 
[図表2]貸借対照表のイメージ
 

損益計算書と貸借対照表を家計に応用する

左右が一致する複式簿記の世界では、損益計算書(勘定式)の左側の「費用+利益」と右側の収益が一致し、貸借対照表の左側の資産と右側の「負債+純資産」が一致します。

 

ここでは、これから投資を考えている読者に自分の家計をイメージしてもらいやすいよう、損益計算書の収益は「収入」に、費用は「支出」に置き換えて考えていきましょう。

 

まず収入と資産とは、まったく異なる概念です。損益計算書(P/L)は収入と支出とその結果を、貸借対照表(B/S)は資産と負債とその結果を表します。損益計算書は家計簿、貸借対照表は財産目録とイメージするとよいでしょう。

 

入ってきたお金は、必ずどこかに出ていきます。また、だれかに資産がある場合、裏を返せば必ず他のだれかの負債になっています。お金のプラスとマイナスが一致している──これが複式簿記のルールであり、「世界観」です。

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