複利は「人類最大の発明」。複利で運用せよ
「投資は複利がよいか、それとも単利がよいか」という議論を聞くことがあります。しかし、そもそもそんな話をすること自体が的外れで、投資とは基本的に複利運用のことを指します。
単利での投資は「投資」というより、副業のことではないでしょうか。投資によってなぜ資本(資産)が増えていくかというと、投資には複利効果があるからです。つまり、単利でお金を稼ぐことは投資とは言わないのです。
そして、複利運用では、現実的な問題として、年利回りとして最大でも20%~30%が限界であり、10%程度の利回りが得られるなら十分とのスタンスでいるべきです。
おそらく世界一有名な投資家であるウォーレン・バフェットの運用会社バークシャー・ハサウェイですら、平均利回り20%だということからも、20%の利回りは非常に優秀であり、それ以上のパフォーマンスを出し続けることは至難の業だとわかります。
20%~30%以上の利回りを出す投資家がいる場合は、ほぼ次の2つのケースのうちのどちらかです。
- 運用期間が数年間など短期である。短期間よい成績を出すことは難しくない。それに対してバークシャー・ハサウェイは50年以上の平均が20%である。
- 運用額が少額。少額の運用資金では高いリスクをとって高いリターンをたたき出すことも難しくはない。少額でハイリターンでは意味がない。
情報商材はほとんどがウソ
月利2%は、FXトレードをしている人にとっては非常に控えめな数字だと思います。YouTubeや情報商材販売サイトなどを見ると、月利何十%と豪語する人がたくさんいます。それでは長期間継続できませんし、どこかで破綻します。
また、月利何十%と出し続けている人がいたとしても、複利ではなく単利でしょうし、証拠金額も少ないでしょう。
もし、1億円以上の証拠金を月利50%で増やし続けている人がいたら、ぜひ教えてほしいです(存在しません)。たった10万円の証拠金でも、月利50%の運用をたった3年間続けたら、いくらになるでしょうか。なんと2184億円です。「月利50%の安定運用」とうたっている人が、3年も続けられないはずはありません(「安定」なのに、3年も続かないというのはおかしいですから)。
他方、わずか数ヵ月50%増やせただけで、「毎月安定して50%稼げる」などと言っていたら間違いなく詐欺です。そのようなすごい商材を販売する人が、たった10万円で遊びのように取引して、「月利50%」などと言うでしょうか? ──それを言うのがこの世界なのです。金融庁の規制も緩いのでやりたい放題です。
せめて、100万円、いや1000万円は証拠金にしないと、データとして信憑性がないでしょう。100万円で、月利50%をたった3年間(36ヵ月)続けるだけで、資産は2兆円です。1000万円で始めたなら、3年間で20兆円です。それだけの資産を持っていれば、世界一の資産家です。米大統領やユダヤ系の有力者をも凌ぐ、世界の陰の支配者になれます。世界の陰の支配者が、なぜYouTubeで小遣い稼ぎをしているのでしょうか(笑)。