投資の最終目的は何なのか明確にしてから始める
何か新しいことを始める場合、それより先に目的をハッキリさせることが必要です。
そもそも、目的のない行動や言葉や現象は世の中に1つもありません。私たちが毎日行っていることには、必ずその目的があります。歯磨きは虫歯や歯周病にならないため、食事は健康を維持するため(食事が原因で病気になる人が激増していますが)。服を着るのは、体温を調節したり紫外線から肌を守るため、肌を人の視線から隠すため、他者と区別するため、階級や職業を表現するため、などです。
行動には必ず目的があります。もし自分に何の目的もなくやっていることがあるならば、それは他の誰かに目的があるということです。つまり誰かにさせられているということなのです。それは投資も同じことです。だから、自分でしっかりと自身の最終目的を投資に対して持つことが重要なのです。
投資の最終目的は何なのかを再考する
何であれ目的を考えるときに、次のことを問えば答えは出てきます。「その出口(最終目的、終着地点)はどこなのか」資産が増えることなのか、収入が増えることなのか、学費を払って子供を育て上げることなのか、ゆとりのある生活をしたいのか、将来お金で困らないようになることなのか、誰かを助けることなのか、社会に貢献することなのか。
「金持ちになりたい」というのは低次元の目的ですが、それでもないよりはましです。何の目的もなく投資をする人は、金融機関に言われるまま、テレビやインターネット情報に煽られるまま、営業マンに勧められるまま、彼らの都合のよい投資を始めてしまいます。
自分の目的を実現するためではなく、彼らの目的を実現するために、です。そもそも、自分の将来像を思い描いていないなら、まっすぐ進むことはできません。遠回りして遠回りして、それでも結局目的地に到達できないということです。
なぜなら目的地がないからです。何のために投資をするのか、明確にしましょう。資産構築・資産運用・資産防衛・資産形成。一言で投資と言っても、投資には4つの領域(段階)があります。これを理解しなければ、成功することはできません。
- 資産構築
- 資産運用
- 資産防衛
- 資産形成
これらの領域(段階)は、必ずしもこのままの順序ではない場合もありますが、区別して考える必要があります。そうでないと、目的と手段が合致せず的外れになってしまい、せっかく投資をしても願う結果が得られないということになりかねません。まず、この4つの領域の違いを理解してください(図表1)。