賃借人が立ち退き拒否をするデメリット
賃借人の立場から見ると、建物の老朽化などを理由に大家から立ち退きを求められた場合、立ち退きを拒否してその物件に住み続ければ、建物倒壊の危険と隣り合わせで生活をすることとなります。老朽化した物件は耐震基準を満たしていない場合も多く、大きな地震が来た際には命の危険にさらされる可能性があるでしょう。いくら気に入っていたとしても、老朽化した物件にいつまでも住み続けることは危険です。
また、そこまで極端なケースでなくとも、賃借人が立ち退きを拒否し続ければ、最終的に大家側から訴訟を提起される恐れがあります。訴訟に慣れている場合は稀であり、訴訟になることで心理的な負担を感じる可能性が高いでしょう。
大家側としても当初は立退料の提案や増額など真摯に応じてくれますが、不当なほど高額な立退料の請求をしたところで、認められる可能性は低いといえます。むやみに交渉を長引かせても双方にとってプラスにならないため、ある程度の段階で交渉に応じた方が、負担が少なくて済むでしょう。
立ち退きを拒否されたときの対処法
賃貸人が賃借人から立ち退きを拒否された場合は、まずは誠実に話し合い、賃借人側の都合に耳を傾けることが重要です。なぜ立ち退きを拒否するのかという事情がくみ取れれば、対策の提案もしやすくなることでしょう。特に、立ち退きに正当事由がない場合や正当事由が弱い場合には、賃借人が立ち退きに応じてくれるよう、慎重に交渉を進めることが重要です。
一方、立ち退きに正当事由がある場合には、内容証明郵便で立ち退きを請求したり最終的には訴訟へ移行したりするなど、法的な対応が有力な選択肢となります。いずれにしても、立ち退きが拒否された場合には事情に合った対応を検討するため、早期に弁護士へ相談することをおすすめします。
立ち退き拒否されないためのコツ
賃借人に立ち退き請求をした際に、立ち退きを拒否されないためのコツは、次のとおりです。
日ごろから賃借人との関係を良好にしておく
立ち退いてもらう必要が生じた際、立ち退き拒否の可能性を下げるためには、賃借人と日ごろから良好な関係を築いておくことが重要です。良好な関係を築いておくことで、立ち退いてほしい大家側の事情を、賃借人が聞き入れてくれやすくなるでしょう。一方で、賃借人との関係性が希薄であったりそもそも面識さえなかったりすれば、賃借人側が大家側の事情を加味すべき理由は乏しく、立ち退きを拒否されたり高額な立退料を請求されたりする可能性が高まります。
できるだけ早く立ち退き交渉を始める
立ち退きをしてもらいたい事情が生じたら、できるだけ早くから立ち退き交渉を進めることが重要です。法律上も大家側からの契約解除は6ヵ月前までにすべきこととしていますので、これを目安とし、遅くとも6ヵ月以上前からは交渉を始めるべきでしょう。早くから交渉を始めることで、賃借人が転居先などを探す時間的猶予が生まれます。
一方、いくら強い正当事由があったとしても、「来月には出て行ってくれ」などと無理な要求をすれば、立ち退きを拒否される可能性が高いでしょう。
十分な立退料を提示する
立ち退き請求をする際に十分な立退料の支払いを提示することで、立ち退きに応じてもらえる可能性が高くなります。賃借人によって負担の大小は異なるものの、生活の本拠などを移転するには、相当な労力が必要です。これを軽視した場合には、立ち退きを拒否される可能性が高まります。
労力を金銭に換算することは容易ではありませんが、賃借人側にかかる負担や心情を十分に考慮し、適切な立退料を提示しましょう。提示する立退料の相場が分からない場合には、弁護士へご相談ください。
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
注目のセミナー情報
【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』
【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!