自分を認められることが人生のゴール
人が特に大きな満足感を得られるのは、自分を認められた時です。「自分はこれで良いんだ」と思えた時の気持ちは何物にも代えられません。
多くの人は、「今の自分ではいけない」と思っています。そして自分にダメ出しをしてしまっているのです。そのダメ出しをやめ、「自分はこれで良い」と思えると、劣等感、罪悪感、被害者意識、無価値感が癒されます。体に入っていた力がふっと抜けて、逆にエネルギーが湧いてきます。
どんな達成感よりも、自分を認められた時の気持ちのほうが深く大きい満足感が得られます。
コンサルタントという職業の場合、良いコンサルタントほどクライアントの良いところを見つけます。
足りないから教えるというスタンスではなく、良いところを見つけて、その強みを活かしてもらうというスタンスなのです。例えば、まちづくりのためにコンサルタントが雇われた場合、まずやることは何だと思いますか?
それは、そこに住む人に自分のいる場所の良さを再認識してもらうことです。
どんな名所があり、そこにどんな意味があり、どんな価値があるかということを住人たちに知ってもらうところからスタートするのです。なぜかというと、そこに住む人が自分の住むところに誇りを持っていなければ、いくら外から来た人があれこれ言っても、まちづくりはうまくいかないからです。
「ここには何もない」「来てもしかたがない」と住んでいる人が思っていれば、何かをやろうとしても誰も動いてくれません。まちづくりというのは、地域住民のみんなの自信や誇りがあって初めてできることなのです。
しかもどうでしょう、自分の住む場所に誇りを持てたら、こんなに素晴らしいことはありません。何も新しいことを提供しなくても、それだけで毎日が豊かになるのではないでしょうか。
また、英語を学ぼうとする人の多くは、「自分は英語がまったく話せない」と思っています。こういう人たちが深い満足を覚えるのは、「今の自分の英語力でも、少しは思いを伝えられる」と感じられた時です。
多くの日本人が学校で英語を勉強していて、少しは英単語を知っています。実はそれで海外旅行ぐらいであれば問題なく行けるし、日本に来ている外国人の方に道案内ぐらいはできたりします。また、発音に自信がない方もいますが、逆に日本語なまりの英語のほうがカッコ良いと思う人もいます。
そのように、今の自分の英語力でもなんとかなると思えたら劣等感が消えて、ものすごく自信が湧いてきますし、会話を楽しんでみようと思うものです。