本記事は、東洋証券株式会社の中国株コラムから転載したものです。

中国市場

9月回顧…上海は4ヵ月ぶり安値、売買代金低調

米国の大幅な利上げ継続や米中関係の悪化などを背景に、香港市場は下落基調が続いた。

 

ハンセン指数は23日に18,000 ptを割り込み、約11年ぶりの安値を付けた。米FRBの9月会合では、3会合連続となる0.75%の大幅利上げを決定し、積極的な利上げを続ける意向も示唆した。米国の利上げ継続を受け、中国からの資金流出(米ドル高・人民元安が進行)、世界的な景気後退への懸念が広がった。

 

個別銘柄では、薬明生物技術(02269)や百度集団(09888)などグロース株の下落が顕著だった一方、中国移動(00941)などバリュー株は堅調に推移した。

 

10月見通し…自律反発を想定、決算動向に注目

【予想レンジ】

上海総合指数:2,950~3,300pt
深セン成分指数:10,000~12,500pt

 

10月の中国市場で各指数は自律反発の展開か。上海総合指数は3,200pt、深セン成分指数は12,000ptを目指す動きとなろう。

 

[図表2]上海総合指数の推移
[図表2]上海総合指数の推移

 

中国共産党大会(16日開幕)の前後に消費促進策など具体的な景気対策が打ち出されれば、9月に売り越した海外投資資金の再流入のきっかけになるだろう。

 

月後半に集中する7~9月決算発表を機に業績相場の側面も見られよう。最大40.7%増益見通しを発表済みの歌爾(002241)は、海外売上比率が約9割で元安進行による恩恵も受けそうだ。

 

なお、3日から7日までは国慶節関連の祝日で休場。

 

 

龔 静傑

東洋証券香港現法亜洲有限公司

中国株アナリスト/香港ストラテジスト

 

山藤 秋男

東洋証券株式会社上海駐在員事務所

中国株アナリスト/ストラテジスト

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