総面積の約4割が「国立公園」…自然豊かな香港
香港は、高層ビルが密集する大都市というイメージが強いが、実は総面積(1,108km²、東京23区の約1.8倍)の約25%しか開発されておらず、約75%がまだ豊かな自然を残していることはあまり知られていない。
日本の国立公園にあたる郊野公園(カントリー・パーク)は24ヵ所あり、総面積の約4割を占める。これとは別に自然保護を目的とする特別区域なども設けられている。
したがって、香港の狭い中心部に人口が極度に集中するが、少し離れたところに豊かな自然が広がっており、香港ほど大自然に簡単にアクセスできる大都市はないと思う。
筆者は香港島の下町、北角(ノースポイント)に住んでいる。中心部のMTR(地下鉄)駅「北角」のすぐ近くに山登りの階段があり、階段と緑に囲まれた坂道を20分ほど歩けば、休日によく子供を連れて行くバスケットコートなどが整備されている公園がある。
そこから少し山側に進めば、そこはもう、香港島の総面積の約5分の1を占める「大潭郊野公園(Tai Tam Country Park)」なのである。
人気な定番アクティビティは「ハイキング」
香港で1番人気なアウトドア・アクティビティといえば、香港人なら誰でも思いつくのがハイキングだ。郊野公園内を中心に数百ものハイキングコースが整備されており、香港は「ハイカー天国」ともいわれている。
長距離ハイキングコースとしては、九龍半島・新界地区を東西に横断するマクリホース・トレイル(100km)、香港島を縦断後、海を越えて新界地区まで縦断するウィルソン・トレイル(78km)、空港のあるランタオ島にあるランタオ・トレイル(70km)、そして香港島を東西に横断する香港トレイル(50km)がある。
この4大トレイルを合わせると計298kmに上り、東京~名古屋間の直線距離を超える。
筆者は、自宅から徒歩でハイキングに出かけることもあるが、バスか、タクシーを利用して数十分程度でハイキングコースの上り口まで行くことが多い。香港島の東部に位置する「龍脊(ドラゴンズ・バック)」はお気に入りのトレイルとして何度も訪れたことがある。
龍脊は、「世界のベストハイキングトレイル23選」の8位に選ばれた有名なトレイルで、歩きながら、香港の美しい山と海の壮大な景色を眺めることができる。