(※写真はイメージです/PIXTA)

中国の不動産バブル崩壊と、それに伴う金融危機が懸念されています。この問題について過去に日本で起きた金融危機の状況と照合すると、複数の共通点があることがわかります。そこをたどると、今後の中国の状況が読み解けるかもしれません。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

世界経済への影響は「中程度」か?

日本の金融危機は、日本円の世界でのできごとでしたから、影響は日本経済に限定されていました。しかし、リーマン・ショックは米国の金融危機であり、基軸通貨である米ドルの「信用収縮(貸し借りが滞ること)」が起こったので、世界の金融が大混乱に陥りました。その意味では、中国で仮に金融危機が起きても、日本の場合と同様に、世界の金融市場への影響は限定的でしょう。

 

日本は輸入が少なかったので、金融危機で景気が悪化して輸入が減っても、世界経済への影響は限定的でした。しかし、米国は巨額の輸入をしているので、リーマン・ショックで景気が悪化すると世界中からの輸入が大きく落ち込み、世界の経済に貿易面でも甚大な影響を及ぼしました。

 

中国も世界中から大量の輸入をしているので、中国経済が金融危機等によって深刻な不況に陥れば、世界からの輸入が激減し、その面で世界経済に甚大な影響を及ぼす可能性は高いでしょう。

 

そうしたことを考えると、中国で不動産バブルが崩壊して金融危機が起きた場合の世界経済への影響として、リーマン・ショックと日本の金融危機の中間あたりを考えておけばいいのかもしれませんね。

 

一方で、中国経済の失速は日米欧にとって恩恵となり得るという考え方もあります。資源価格の下落等が期待できるからです。そのあたりのことは別の機会に。

 

今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。

 

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塚崎 公義
経済評論家

 

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