生物の「進化しなければならなかった理由」が面白い!
一般的に人類は、魚類から両生類に、さらに爬虫類に、そして哺乳類へ進化してきたとされていましたが、2012年度の教科書では「哺乳類は両生類から進化した」と訂正されました。
これも、地質学者、遺伝学者、生物学者などの日々の研究によるものですが、進化の特徴は、受験の知識として塾などで教えられているようです。たとえば、イモリはエラ呼吸なので両生類、ヤモリは肺呼吸なので爬虫類…といった具合です。
しかしながら、これでは鎌倉幕府は何年に創設された、この将軍はこの戦でこのような結果を残し…といったことを暗記するのと同じで、面白くも楽しくもありません。むしろ暗記がイヤで、嫌いになってしまいかねません。
なぜ鎌倉幕府ができたかの理由を知れば、歴史の授業ががぜん面白くなるように、人類の進化において、受験知識ではなく、むしろ「進化しなければならなかった理由」を知ること、考えることが重要だと思われます。
それでは受験に関係のない大人のみなさん、進化の理由を楽しみながら振り返ってみましょう!
魚→両生類へ:弱者が海から陸地に追いやられた結果
魚が両生類に進化していった理由は諸説ありますが、いずれにしても、当時の海はオウム貝の天下であり、魚類はオウム貝に食べられないように、浅瀬での生活を余儀なくされました。しかし、浅瀬においても魚同士で争いが起きて顎と歯を持つ肉食魚が現れ、顎と歯を持たない弱い魚は湿地(淡水)へと逃げるなかで、ついに食道の前方に肺を持つ肺魚が出現した、と考えられています。
肺魚は新天地で繁栄しましたが、やがて肺魚のなかにも肉食系の肺魚が現れるようになりました(弱肉強食の歴史は繰り返されるわけです)。
そこで、弱い肺魚はついに湿地から陸地の生活へ移るものが出現します。これが両性類の原型です。つまり逆境があったからこそ、弱者に「陸地という新天地」が開けたことになります。
両性類→爬虫類へ:陸地の弱者が水たまりに逃れた結果
両生類においても歯を持つ肉食系の両生類が出現することにより、弱い両生類は水辺からさらに離れた陸地の小池、水たまりに移動しました。
ここなら、肉食両生類は追ってこないため安全ですが、いつ乾燥するかわからないために、水分が蒸発しないように皮膚は厚く硬くなり、完全に肺呼吸するように進化していきました。ここにも弱者の逆境への適応が進化につながったようです。