満足度は上昇も、利用シェアは低下…調査のポイント
■総合満足度、NPS®、信頼度の向上
総合満足度は、前年比+5ポイントの810ポイント(1,000ポイント満点)となった。総合満足度の上昇は、主に、「会員向けサービス/特典」、「利用条件」、「モバイルチャネル/コミュニケーション」などのファクターとサブファクターにおけるスコアが大幅に向上したことによるものである。
また、NPS®は前年比+4ポイントの46ポイント(100ポイント満点)となり、クレジットカード会社に対する信頼度も、前年比+6ポイントの828ポイントとなった。
■メインで使用するクレジットカードの利用シェアが低下
クレジットカード利用者の月間支出のうち、メインで使用するクレジットカードを支払いに用いる割合は42%に止まり、2019年の50%、2020年、2021年の47%から低下している。過去5年間で月間の現金での平均支出額は49%増加し、デビットカード決済は80%増加している。
■特に高額の買い物をする際の支払い手段としてBNPLが浮上
クレジットカード利用者の44%は、高額の買い物をする際にBNPLなどの柔軟な資金調達/分割払いローン、個人ローンなど、他の融資手段を検討すると回答した。BNPLは、これらの融資オプションのなかで最も人気があり、28%の顧客が高額の買い物をする際に検討している。リーズナブルな手数料と競争力のある金利が、BNPLを検討する要因となった。
■消費者の財務健全性は悪化
クレジットカード利用者の半数以上(57%)が、現在「財務的に健全でない」区分(※)に分類されており、この割合は前年比+4ポイントとなった。さらに、22%が「前年より経済状態が悪化している」と回答し、この割合は前年の18%から上昇した。また、クレジットカード利用者の約半数(49%)が「メインで使用するカードでリボ払いの負債を抱えている」と回答し、この割合は前年の43%から上昇した。
※J.D. パワーは、消費者の財務健全性を、支出/貯蓄比率、信用度、保険の適用範囲などのセーフティーネットの項目を組み合わせた指標で測定している。消費者は健全な状態から脆弱な状態までの連続的な指標において測定される。
■利用者によるクレジットカード再評価・選別のとき
クレジットカード利用者のうち、頻繁に買い物をすることでリワードを最大限に享受していると感じている人はわずか31%に止まった。経済状況が厳しくなり、新たな融資の選択肢が増え続けているいまこそ、顧客にとっては現在使用するクレジットカードを再評価し、支出とリワード・特典とのあいだの整合性を確認する絶好の機会である。
■J.D. パワーバンキング・アンド・ペイメントインテリジェンス部門 ディレクター ジョン・キャベルのコメント
「不確実性の高い経済環境のなかで、クレジットカード発行会社は顧客との強い関係構築が比較的うまくできているが、現実的な懸念が迫ってきている。その最たるものが、メインで使用するクレジットカードの利用シェアの低下である。
最近、旅行や支出が急増しているにもかかわらず、クレジットカード利用者は一般的に、過去5年間にわたってクレジットカードの使用に対してより慎重な姿勢をとってきた。支払い手段として、デビットカードやBNPL、さらには現金など、ほかのチャネルを利用する傾向が強まっている。
クレジットカード会社は、次の経済サイクルに移行するにあたって、商品価値を向上させ、増加傾向にある財政的にひっ迫している顧客に対する積極的なサポートを強化することが決定的に重要になる」
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走