賃貸物件の価値は「収益」を基準に算定
一般的には、築20年、30年と古くなれば、物件の価値が下がるのではないかと思われがちですが、そうではありません。では、マンションの価値は、そもそもどのように評価されているのでしょう。
それは、家賃(収益)により評価されているのです。現在の不動産価格(地価)は、2001年に国交省が取り入れた「収益還元法」を基に、どのくらいの家賃(収益)が取れるかで価値が評価されています。
バブル期には、根拠のない価値判断で、不動産の売買が行われていました。しかし、現在は、収益を基準に算定されます。ですから、家賃(収益)が低下すれば、不動産の価値も同様に低くなります。古いかどうかということは、直接的には関係がないということです。
新築物件より築10年の中古物件の価値が高い場合も
たとえば、築10年で中古のA物件と新築のB物件がどちらも2000万円で販売されていたとしましょう。どちらのほうが価値は高いでしょうか。
A物件は年間の家賃収入が100万円、B物件は50万円とします。仮に20年間、家賃が変わらなかったとすると、A物件では2000万円、B物件では1000万円の収入が得られることになります。
これを収益還元法で判断すると、2000万円得られるA物件のほうが価値は高いと判断されます。新築か築10年か、ということは関係ありません。
【図表 不動産の価値を判断する収益還元法】