(画像はイメージです/PIXTA)

節税対策の情報が溢れかえる現代で、どこから手を付ければよいかわからない経営者も少なくないでしょう。消費税に関わる「インボイス制度」施行が迫り、「電子帳簿保存法」の改正が起こるなか、「本当に税を節約できる」方法や、やってはいけない節税対策について、冨田健太郎氏・葛西安寿氏の著書『【新版】小さな会社が本当に使える節税の本――ひとり会社・零細会社・中小会社まで使える!』(自由国民社、2022年8月30日発売)から一部を抜粋してご紹介します。

無駄な経費の計上は資金繰りを悪くする

やってはいけない節税策の典型が、経費の垂れ流しとなってしまうものです。節税の名のもと、本来であれば必要のない資産を購入したり、無駄な飲み会などをしてもお金が減ってしまうだけなので、避けたほうがよいでしょう。

 

また、期ズレは将来の経費を先取りするものなので垂れ流しではないと思われるかもしれませんが、必要な時期に支出しなければ無駄になってしまう可能性もあります。先取りした結果、経費を使う回数が増えただけだったということはよくある話なので、注意してください。

 

意外と知られていないことですが、経費の計上時期というのはとても重要で、時期を見誤ると無駄になってしまう可能性が高くなります。

 

節税は会社の資金繰りをよくするために行うものですが、無駄な経費を使えばそれだけ資金繰りも悪くなります。であれば、税金を払ったほうが得だったというケースも多く見られます。そうならないよう、経費の垂れ流しは絶対に避けなければなりません。

 

取り戻されない「本当の節税策」以外で節税になるものはありません。期ズレは、単純に目先の税金を少なくするだけの対策です。長い目で見れば効果はありません。

 

それにもかかわらず、こういった対策を打っていくというのは、大山鳴動して鼠一匹にもならない可能性があることを理解しておきましょう。

無駄な経費を払うくらいなら給料を上げる

税金を支払うのは無駄なことに感じるかもしれません。しかし、無駄な経費を使うことは税金を支払うよりも、もっともっと無駄なことです。必要のない経費を計上して利益を圧縮しても、会社にとって何らよいことはないということを認識しておいてください。

 

無駄な経費を使うのであれば、従業員の給料や賞与に反映したほうがよほど効果的です。

 

給与を増やすことで従業員のモチベーションや会社への忠誠心がアップし、結果として会社の業績がよくなっていくことは十分に考えられます。

 

給料を上げると将来的に不安だというのであれば、福利厚生を充実させるのもよいでしょう。無駄に経費を使うくらいであれば、従業員に還元するのが会社のためによい選択肢となるでしょう。

決算賞与と決算セールどちらも所詮は期ズレ

本来であれば翌期に計上するもののうち、一定の手順を踏むことで当期に計上できるものが2つあります。これらも期ズレではあるのですが、翌期に調整しやすい項目なので、使い勝手はよい手法です。ただし、使い方を間違えてしまうと余計な出費をしただけということになりかねないので、ここではその概要を確認していきましょう。

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【新版】小さな会社が本当に使える節税の本――ひとり会社・零細会社・中小会社まで使える!

【新版】小さな会社が本当に使える節税の本――ひとり会社・零細会社・中小会社まで使える!

冨田 健太郎・葛西 安寿

自由国民社

ひとり社長も使える、小さな会社向けのロングセラー節税本が「新版」で登場。 賃上げ促進税制、地方拠点強化税制、消費税インボイス対策など「最新税法&情報」で増補改訂。 戦略なき節税策が会社をつぶす!“すごい節税策…

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