「不動産関連に強い士業の会社」という選択肢はアリ?
アサミ:というわけなのよ。
家の精:なるほどねえ。不動産の売買を扱っている会社ではなく、不動産に詳しいプロに直接聞くってことか。
アサミ:どう思う?
家の精:いいと思うな。不動産仲介業者は不動産の素人集団の可能性もあるけれど、そもそも法律とか税金に詳しいところなら、その道のプロしかいないわけだから。それに、不動産仲介業者は売買の代理業務で利益を得るわけだが、士業は的確なアドバイスを行った対価とか、取引契約の立会人になった報酬として収入を得ているんだろ。それなら責任をもって、売主や買主の利益を最優先に考えながら取り組んでくれるだろうから、信頼できそうだな。詳しく調べてみたらいいんじゃないか。
アサミ:そう思って仕事帰りにいろいろスマホで見てみたんだけど、けっこうあるのよ。不動産屋さんを挟まずに、士業関係の人たちが個人の不動産売却のサポートをしてくれるっていう会社が。
家の精:インターネットが普及した今だからこその商売だな。ちょっと前なら仲介業者を挟まないと、なかなかこういう専門家たちとは関われなかっただろうし、便利になったもんだ。
アサミ:いくつか見てみたら、無料で不動産の価値を判定してくれるところもあるみたいなのよ。
家の精:ふむふむ。おっ、ここなんか良さそうだな。不動産情報を入れれば、土地の売却方法をいろいろと検討してくれるみたいだ。不動産売却の専門チーム「ツクシマスマネジメント」。
アサミ:入れたらまた面倒な営業電話とか掛かってこないかしら。トラウマなのよねえ。
家の精:見た感じちゃんとしているところみたいだし、一括査定じゃなくこの会社に情報を登録するだけだから、大丈夫だろう。やってみなくちゃ前進できない。登録してみな。
アサミ:オーケー!
「不動産専門のコンサル」は、以前からあったが…
不動産仲介業者ではなく、不動産に詳しいその道のプロに直接相談するというのも、不動産売却の手立てとして有力です。
不動産関連というと、街角にあるような不動産屋にまず相談しないといけないのではないかと思いがちですが、そうともいえません。インターネットのなかった時代であればそれがベストだったかもしれませんが、誰でもどこでも簡単に情報を収集したり公開したりできる現代においては、不動産取引も仲介業者を通す必然性などないのです。
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アサミ:「買い物」という行為自体、かつては商店まで足を運ぶのが主流だったけれど、今はインターネット注文で手軽に自宅まで届けてもらえる時代だもんね。
家の精:ネットでの買い物は、卸売店や販売店を通さないでメーカーや産地から直接買うことも可能だからな。仲介手数料を抑えられるというメリットが見込める。
アサミ:不動産の売買も同じなのね。直接不動産のプロに相談することができれば、コストを抑えながら、売却プランを立てられるのか。
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厳密にいえば、不動産のプロに直接相談するというビジネスそのものは昔からずっと存在していました。不動産専門のコンサルタントです。
不動産の価値を正しく見極め、各種法的な手続きまで面倒を見てくれるたいへん貴重な存在です。売却の際には、不動産を欲しがっている最適な買主候補をリストアップし、不動産が売りに出されていることを彼らに知らせるための、最適な広告方法をも提案してくれます。不動産の売却を専門的な立場で1から10までサポートしてくれる、そんな頼りがいのある職業です。
彼らと仲介業者との圧倒的な違いは明確です。仲介業者は自身や関係取引先の利益優先なのに対して、コンサルタントは売主の完全なるパートナーであり、売主と協力し合って最大限の利益を出すことに力を尽くします。適切なアドバイスを行ったことへの対価報酬や、売却が成立した際に成立額の割合に応じた報酬を受け取ることで、生計を立てるのが基本スタイルとなっています。彼らコンサルタントは以前から存在しているのですが専門業のため少数ですし、一人で一度にたくさんの顧客を相手にする物理的な余裕もありません。ですからこれまで彼らコンサルタントが表舞台に登場することはあまりありませんでした。
しかしインターネットの発達によって、これまでなかなか近づく機会のなかった専門家集団との距離が一気に近づきました。法人など組織の相談だけでなく、個人にも対応する専門家集団が増えているのが、ここ最近の傾向となっています。
彼らプロに直接頼るという選択肢は、現代では当たり前の方法の一つになりつつあります。「不動産を売るなら仲介業者」という固定観念を捨てて、広い視点で売り方を決めていくのが、売主が選ぶべき望ましいスタイルなのです。
露木 裕良
一般社団法人「不動産売却支援ネット」 理事長
「不動産高く売りたい.com」 サイト運営
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