不動産相続の大失敗…調査不足で多額の相続税が発生した事例 (※写真はイメージです/PIXTA)

不動産を売却するなら、少しでも高く売りたいと思うもの。しかし、知識のない一般人が思い通りの結果を得るのは至難の技です。本記事では、実家の売却を考えている若い会社員の「ミツウラアサミ」と、不動産売買の秘密を教えてくれる、小さなおじさんの姿をした不思議な家の精霊「家の精」とのコミカルな会話を交えつつ、不動産業界のウラや売買のヒントをやさしく解説します。

 

ここでは、前掲の記事、『不動産の相続でよくある3つの失敗と注意すべきポイント』の続きとして、相続に伴う納税について、よくある失敗事例を交えながら、想定外の出費を避け上手な節税を実現するポイントについて解説します。

「親子だから」とお金のやり取りをしないでいると…

親の保有する土地に収益物件を建築し不動産事業を営んでいた長男。親子の関係なので地代のやり取りはしていなかった。

 

親が亡くなり土地を相続することになった。親の保有だった土地は「評価減なし」の自用地評価となってしまったため、多額の相続税納付が発生してしまった。

 

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家の精:「親子だから」という理由から土地利用に関するお金のやり取りをしていなかったら、相続時に思わぬ納税額を負担することになったケースだな。

 

アサミ:この場合は、事前に親子の間でも地代のやり取りをしていれば、こんなことにはならなかったということね。

 

家の精:地代として子から親へお金を払っていれば、「評価減あり」の貸宅地評価となり、相続税納付が少なく済んだだろうな。

 

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管理会社任せで概要を把握せず、高額な相続税額に驚愕

親が亡くなり収益物件のアパート1棟を相続。管理運営は親と管理会社が実施していたため、その詳細について相続人はまったく把握していなかった。

 

相続時点で貸付割合が60%になっていた。そのため土地の価値が想定よりも高く評価されてしまい、多額の相続税納付が発生してしまった。

 

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家の精:「貸付割合」というのは収益物件の使用率みたいなもので、この場合はアパートだから要するに入居率ってことになるな。

 

アサミ:入居率が100%の満室だったら、相続時の土地の価値がもっと低い評価になって、相続税の納付額も少なくて済んだのね。

 

家の精:事前にリフォームや営業活動に力を入れて入居を確保するとか、もしくは売却も視野に入れておけば、こんな失敗はやらかさなかっただろうな。

 

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特例を適用したら、売却益の約95%相当が課税対象に

自宅用の土地建物を相続したが、引き続き自宅として使用する意向はないため売却を検討する。しかし購入時や建築時にかかった費用の資料が残っていないため、土地建物の正確な価値は分からなかった。そこで不動産の「譲渡所得の特例」を適用し、売却価格の5%を取得価格として申告。売却益の約95%相当が課税対象となってしまった。

 

あとになって謄本等を確認したところ、抵当権の設定金額から土地の取得価格や建物購入額を推測することができた。これを基にして取得価格を申告していれば、課税対象となるのは売却益の50%程度にとどめることができただろう。

 

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アサミ:土地建物の取得価格が分からなかったせいで、負担額が増えちゃったのね。

 

家の精:事例のように謄本はもちろん、当時のパンフレットや不動産のチラシ、購入時のメモや通帳の出金記録なんかがあると、取得価格を推測できるぞ。こういった事前の準備をしておかないと、事例のように特例が適用されて、多額の納税が必要となることもある。気をつけないとな。

 

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大正時代の取得価額で申請したら、すごい納税額が…!

先祖代々の土地を相続したが、使用しないため売却を検討。取得時の書類は保存されており、大正時代だったので100円(現在の価値でおよそ1億円)の購入額だった。売却価格は1億円、取得価格100円を経費に計上して申告し納税を行った。

 

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アサミ:真っ当な納税だと思うけど、これも失敗例なの?

 

家の精:経費を取得価格に該当する100円にしたのが失敗だな。さっきも出てきた「譲渡所得の特例」を適用して、売却価格の5%で申告していれば、1億円の5%で500万円の経費計上ができたことになる。納税額が減らせたんだよ。

 

アサミ:なるほど。一つ前は特例を適用したことで損をしたけど、今回のケースは適用したほうがお得だったということね。

 

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以上はあくまでよくあるケースで、ほかにも節税効果を得られる方策はたくさんあります。

 

相続税が発生する際は、きちんと専門家に依頼することを推奨します。依頼に伴う手数料はかかりますが、そのほうが結果的に大きな節約につながることでしょう。

 

露木 裕良
一般社団法人「不動産売却支援ネット」 理事長
「不動産高く売りたい.com」 サイト運営

 

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    元・藤和コーポレーション創業者 現相談役
    一般社団法人「不動産売却支援ネット」 理事長
    「不動産高く売りたい.com」 サイト運営
     

    神奈川県出身。
    1985年大学卒業後、ハウスメーカーの現場監督として就職。1989年建設業を起業。
    独立以後、木造住宅、分譲住宅、店舗、造成土木工事、アパート、マンションなど1000棟以上を建築し、住宅に係るすべての事業を経験。2004年より「新築大家さん」を開始。
    元祖「土地のないサラリーマンに出来る新築不動産投資」b’CASAシリーズのブランドにて300棟以上販売。
    著書に『不動産を「高く売る」ために知っておきたい大切なこと』(現代書林)、共著書に『不動産投資は儲からない』(ジュリアン)がある。

    不動産のオークションジャパン
    http://fudosan-japanauction.jp/seller

    著者紹介

    連載オークションで不動産を高く売る方法

    ストーリーで分かる オークションで不動産を高く売る方法

    ストーリーで分かる オークションで不動産を高く売る方法

    露木 裕良

    幻冬舎メディアコンサルティング

    早く確実に売り切りたい 物件情報を広範囲に発信したい 市場価格より高値で売却したい 売主の希望を最大限叶える不動産売却方法とは―― 物件を高く売りたい――不動産を所有している人であれば誰でも思うことです。 しか…

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