(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産を売却するなら、少しでも高く売りたいと思うもの。しかし、知識のない一般人が思い通りの結果を得るのは至難の技です。本記事では、実家の売却を考えている若い会社員の「ミツウラアサミ」と、不動産売買の秘密を教えてくれる、小さなおじさんの姿をした不思議な家の精霊「家の精」とのコミカルな会話を交えつつ、不動産業界のウラや売買のヒントをやさしく解説します。

土地の利用方法を拡充させ、不動産価値を高める必殺技

隣人の土地を自ら「地上げ」することで、土地の利用方法を拡充させ、不動産価値を高めるという必殺技が存在します。地上げというと、なんだか難しそうなイメージかもしれません。

 

確かに、まったく知らない業者から「ここに高速道路を建てるから退いてほしい」という地上げ話が突然舞い込んできたら、躊躇してしまうでしょう。しかし、見知った隣人からの「ほんの一部のスペースだけ買い取らせてほしい」という相談であれば、前向きに考えたくもなるのではないでしょうか。

 

円滑円満な交渉を達成するために必要なことは、「普段から隣人とは仲良くしておく」これに尽きます。騒音やゴミのことなどで普段から争いの絶えない間柄であれば、交渉すらままなりません。仮に交渉に至れたとしても、法外な買取価格を提示されてしまうことでしょう。

 

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家の精:お互い納得できる価格で取引するために、普段からご近所さんとは仲良くしておくべきだな!

 

アサミ:将来土地のことで交渉するかどうかは別として、当たり前といえば当たり前だけどね。

 

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さらなる奥の手として「隣人と一緒に売却する」という方法もあります。単純に土地面積が倍増し、別々の状態だったら戸建てが建てられる程度だったところ、隣地と合体することで大きなマンションを建てる計画が立案できるようになるかもしれないのです。

 

こうすることで、売却価格もアップするというケースは、決して珍しいものではありません。

 

最終的に「売らない」という決断も売却するための計画を立てていたところ、「売るよりも資産として持ち続けるほうがお得」という結論に至ることもあります。「今よりも数年後に売ったほうがさまざまな面で恩恵が大きい」ということも往々にしてあります。

 

一例として、不動産の保有期間が「5年以内」か「5年超」かで、税率が倍近く違います。半年後に売っていれば5年超扱いで、払う税金が半分くらいで済んだのに、不動産仲介業者に言われるがまま急ぎで売却してしまい損をした、というケースも実際に存在します。不動産仲介業者が税金に関して無知であったか、あるいは知っていたにもかかわらずいち早く利益を得たいがためにあえて教えなかったかのどちらかでしょう。

 

このようなこともあり得ますから、やはり不動産売却の際は専門的な知識を有したプロのサポートは欠かせないのです。

 

不動産を売るのではなく、資産の一つとして貸し出すという利用方法もあります。ただ、これには税金や共有関係のことなどさまざまな問題が絡み合ってくるので、この場合も専門家の助言は不可欠です。売ることで利益を出すことしか考えていない不動産仲介業者からは、絶対に出てくることのないアイデアに出合えるかもしれません。

 

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アサミ:自分が大家になるなんて考えもしなかったけど、選択肢としては十分あり得るのね。

 

家の精:住んでた実家をちょっとリフォームして、貸し出すっていう方法もあるからな。

 

アサミ:兄さんとの借金のこともあるから今回は選択肢になかったけど。広い視野でいろいろ考えて、みんなにとって最高の利用方法を考えることが大事ね。

「価値を上げ自分で売る」こともできる

時間に余裕があるなら、自分で建てて販売するという方法もあります。厳密には、所有している土地を何区画かに分けて、毎年1棟ずつ家を建てて販売するのが正攻法です。

 

建売販売は専門の資格がないとできない決まりとなっていますが、経験上年1回の取引ペースであれば事業とみなされず、問題なく売ることができるようです。ただしこの点は法律が複雑に絡んでくるところなので、専門家のアドバイスは欠かせません。

 

「家を建てる資金なんてないよ」と思われるかもしれませんが、実はその心配はいりません。建築計画だけ立てて売るという方法もあります。予想計画図や価格などで申請し、売主指定の業者との間で建築工事請負契約を結ぶことを条件とした「建築条件付き土地」として売り出すことが可能なのです。

 

要するに、仲介業者を挟まずに建設業者とタッグを組んで販売する方式です。建売業者を挟まない分、価格を相場より安く設定できるので、仕上がりの予想図によっては、想像以上に人気を博すこともあります。

 

「自分で売る」というと、夏は大汗をかきながら、冬は寒さに震えながら、所有地の前で呼び込みをする営業員をイメージするかもしれません。もちろん自分で販売するのも不可能ではないですが、販売業者に「片手」の代理人として委託することもできます。

 

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家の精:建設会社と協力して建築計画を立てて、「こんな家が建ちますよ、この土地いかがですか!」って売り込むわけだな。

 

アサミ:買う側にとっては、いろいろと手間が省かれているメリットがあるのね。気に入った設計になっていて、しかも相場より安かったら、買いたい人はたくさんいるかも。

 

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とはいえ、この方法は前述のとおり時間や根気が必要なものなので、建築関連に精通していたり、興味があったりしないと挑む気にはなれないかもしれません。しかし高く売るための方法としては非常に有効なので、一つの選択肢として覚えておくといいでしょう。
 

 

露木 裕良
一般社団法人「不動産売却支援ネット」 理事長
「不動産高く売りたい.com」 サイト運営

 

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露木 裕良

幻冬舎メディアコンサルティング

早く確実に売り切りたい 物件情報を広範囲に発信したい 市場価格より高値で売却したい 売主の希望を最大限叶える不動産売却方法とは―― 物件を高く売りたい――不動産を所有している人であれば誰でも思うことです。 しか…

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