不動産の売却価格は「ニーズの高さ」で決定する
中古不動産は、「売り方」によって売却価格がかなり上下します。
「この不動産がどうしても欲しい!」という人が一人しか出てこなかったら、価格競争が生まれないため安い価格に落ちついてしまいます。
一方、「この不動産がどうしても欲しい!」という人が2人や3人、さらに10人いたらどうでしょうか。価格競争が生まれることで一気に価値が高まり、売却価格も自然と高額になっていきます。
要するに「どうしても欲しい」というニーズをどれだけ引き出せるかが、最終的な不動産の売却価格を決定づけるということです。
これにはまず、効率的な広告展開を仕掛けることが重要となるわけですが、費用面や委託先など十分に考慮する必要があり、また必ずしもたくさんのニーズを引き出せるとは限らないため、一定のリスクがつきまといます。
もう一つ、時間やお金などの負担をほとんどかけることなく、売主だからこそできる重要な「売り方」があります。
その売り方とは、売主の視点から物件の魅力・アピールポイントを思いつく限り羅列して、買主候補へ向けて発信することです。
ポイントとしては、そこに住む人がどんな生活を送ることができるのか、土地利用の側面から考えることです。「幼稚園と小学校が近いから子どものいる家庭に向いている」とか、「夜や休日は車の通りが少なく静かなので、喧騒が苦手な人にお勧め」といったように、そこで生活を営んできた人だからこそ見えてくる魅力をアピールすることが、新しいニーズを引き出す一つの材料となります。
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家の精:もちろん、不動産関係者の専門的な視点も、アピールポイントにガンガン詰め込んでいこう。
アサミ:過去の事例や専門的知識をたくさん有している不動産のプロの視点と、不動産については素人だけど該当物件のことを誰よりも知っている売主の視点。二つの視点が合わされば、不動産に価値を感じてくれるニーズも倍増して、より高値のつく可能性が高まるのね。
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不動産仲介業者に営業を委託する場合も、抽出した魅力・アピールポイントを資料としてまとめて、買主候補に渡してもらうよう頼む手段は有効です。少しでも高く売れる可能性が高まる方法の一つですから、不動産仲介業者も嫌がることはないでしょうし、拒まれるようなら仲介契約の条項に入れて確約してもらうという奥の手もあります。
不動産を探している人に対して、どれが最強のアピールポイントになるのか、売主にも不動産関係者にも分かりません。「コンビニまで徒歩10秒」が購入の決め手になるかもしれないですし、「バス停が家の目の前」や「春は自宅から満開の桜が見られる」に大きな魅力を感じてもらえるかもしれないのです。
一方で、不動産のプロの目線からは「車を2台停められる駐車場スペースを確保可能」や「1棟9室のワンルームマンションが建設可能」といった、専門的な立場からのアピール材料を引き出すことができます。これら専門的な知見による土地活用法を見て、建設会社が問い合わせすることも考えられ、一気に価値が高まる期待がもてるわけです。
売却のことばかり考えるよりも、まずは土地利用の側面から考えを展開していくことで、より満足のいく不動産売買が成し遂げられます。
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