(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産を売却するなら、少しでも高く売りたいと思うもの。しかし、知識のない一般人が思い通りの結果を得るのは至難の技です。本記事では、実家の売却を考えている若い会社員の「ミツウラアサミ」と、不動産売買の秘密を教えてくれる、小さなおじさんの姿をした不思議な家の精霊「家の精」とのコミカルな会話を交えつつ、不動産業界のウラや売買のヒントをやさしく解説します。

会社員ミツウラアサミ、いよいよ「実家」を出品へ!

実家売却を考えている若い会社員、ミツウラアサミの不動産売却も、いよいよ大詰めとなりました。オークションにかければさらに想定以上の価格で売れるかもしれない、との話ですが、本当にうまくいくのかどうか、心配は尽きません。アサミは、ツクシマスマネジメントのイワサカさんに、オークションについて深いところまで尋ねてみることにしました。

 

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イワサカ:次はいよいよ売却の具体的な方法についてですね。

 

アサミ:オークションがいいかもしれないということですが、詳しく教えてくれませんか。

 

イワサカ:オークションでは、不動産に興味をもった買手候補に入札してもらいます。最高価格をつけた方が落札し、ミツウラ様と売買契約を結ぶことになります。その際にまたミツウラ様にはお手続きに参加いただくことになりますが、それまでの工程はオークション運営サイドが担当しますので、ミツウラ様のお手をわずらわすことはありません。

 

アサミ:オークションって……どこでやるんですか。

 

イワサカ:当社関連会社の運営しているオークションプラットフォームのサイトにて、不動産情報を掲載し、入札期間を設けて、入札してもらいます。

 

アサミ:そっかインターネット上でやるのか。オークションっていうと、一つの会場に集まってみんなで「100万円!」「こっちは200万円だ!」って声を張り合って競り上げていくイメージでした。

 

イワサカ:すでに買手候補となりそうな投資家さんや建設業者さん宛に不動産売却計画書を提出しています。いくつか問い合わせがきているので、実際にオークションが開催されたら盛んに入札がかかるかもしれませんよ。楽しみですね。

 

アサミ:(なるほど、私もインターネットのオークションで買い物したりするけど、不動産もこうやってネットオークションで取引すればいいわけか)

 

イワサカ:入札期間は3週間程度を見込んでいます。最低落札価格を設けていますので、こちらの希望額以下で売却となってしまうようなことはありません。ご安心ください。ちなみにオークションの形式は、少しずつ入札価格が上がっていくタイプではなく、全員に1回だけ入札してもらい、最も高額だった入札者が落札、という形式です。この競売形式によって、スピーディーかつ高値での取引を実現します。

 

アサミ:なるほど売主にとってもいいことずくめですね。なんでこれまでなかったんだろ不動産オークション。

 

イワサカ:不動産オークション自体は、実は昔からあったんです。しかしさまざまな買主候補に声を掛ける手間がありますし、法律面でも多くの手続きがあり、ハードルの高いものになっていました。結局は仲介業者に販売を委託するのが売主にとって最も低負担だったわけです。

 

アサミ:インターネットがある現代だからこそ、栄えてきたわけですね。プロの方に相談できたり、オークションプラットフォームがあったりするから、私たちみたいな個人でも、業者さん相手に販売できるんですね。

 

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やり取りが目で見える不動産オークション

従来の不動産仲介業者を介した取引のどこが悪かったかといえば、「裏側で何が起きているのか分からない」ことでした。不動産仲介業者の悪質極まる手口や業界の闇の部分については、すでにいくつか触れてきましたが、これらが当たり前のようにはびこってしまっているのは、不動産仲介業者優位で売主側が常に劣勢に立たされる、歪んだパワーバランスが定常化していたためです。

 

売主は不動産の素人ですから、あらゆる業務を業者に委託するしかありません。売主サイドが「どういうかたちで売っているのか詳しく報告してほしい」と言おうものなら、「企業秘密なところもあるので」「スムーズに進めるためにも、こちらに任せてください」などと返されるのが関の山です。

 

売主の心理としては「これ以上深く詮索しても、印象を悪くするだけ。早く高く売ってもらうためにも、全部委ねてしまおう」となるでしょう。

 

仲介業者にとっては客の立場であるはずなのに、売主が劣勢となり遠慮しなければいけない風潮がありました。そしてそのようなパワーバランスが、これまで紹介したさまざまなトラブルを巻き起こしているわけです。

 

仲介業者が裏で建設会社やリフォーム会社と組んで、売主にリスクを背負わせて売買取引を成立させようと目論んでいても、売主側は知るよしもないわけです。

 

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家の精:例えば「提示価格よりも高く買いたい」という問い合わせが仲介業者に来たとき、双方代理で稼ぎたいという理由から「すでに決まってしまいまして」と断るような悪質な行為をしていても、売主側が把握することはできないのが現状だ。

 

アサミ:私の不動産も、いったいどれだけ問い合わせがあったのか、結局教えてもらえないままだったものね。

 

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このような売主サイドの不満や疑問を解消してくれる解決策の一つとして提案したいのが、本記事のメインテーマの一つとなる不動産オークションです。オークションのやり取りなら、すべて公開されますので、「裏側で何が起きているのか分からない」という事態を防ぐことができるのです。

 

 

 

露木 裕良
一般社団法人「不動産売却支援ネット」 理事長
「不動産高く売りたい.com」 サイト運営

 

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ストーリーで分かる オークションで不動産を高く売る方法

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露木 裕良

幻冬舎メディアコンサルティング

早く確実に売り切りたい 物件情報を広範囲に発信したい 市場価格より高値で売却したい 売主の希望を最大限叶える不動産売却方法とは―― 物件を高く売りたい――不動産を所有している人であれば誰でも思うことです。 しか…

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