中古アパートへの投資はスキルや経験が必要不可欠
そのような工夫が必要だからこそ、中古アパートへの投資にはスキルや経験が必要であり、玄人向きであることは間違いありません。そこで、本書で紹介しているトライアングル不動産投資では、「戸建て」「新築アパート」によって経験を積み、その後に中古アパートへの投資を推奨しています。
他の投資と同様に、不動産投資もまた、経験を経るにつれて慣れてきます。慣れてくれば、不要なトラブルを未然に防ぐこともできますし、賃貸経営に必要なスキルも身についてきます。そうすれば、中古アパートの経営につきものである修繕への対処や交渉などもできるようになり、より良い条件で投資を実践しやすくなります。
戸建てや新築アパートなど、比較的ハードルが低い不動産投資で経験を積んでおけば、スキルやノウハウがどんどん蓄積されていきます。トライアングル不動産投資のメリットは、その点にもあるのです。
不動産投資を「一か八か」のギャンブルにしてしまわないために、段階を踏んでいくことが大切です。
中古アパート投資のプランニング
中古アパートは新築アパートと比較して、利用できる金融機関が限られます。とくに、金融機関は土地の値段を中心に見ることに加え、耐用年数が超過している物件の場合、建物(上モノ)は評価をしてくれません。
そのため、利用できない金融機関も出てくるのですが、日本政策金融公庫や三井住友トラストL&F、セゾンファンデックス、または一部の地銀、信金、信組であれば融資を受けられる可能性があります。
現地の不動産業者とも相談しながら、どのような金融機関であれば利用できるのか、物件の状況や他の不動産投資家の実情も踏まえながら、検討していくことが大切です。その点、情報収集は重要です。
それでは、プランニングにおける具体的な数字を見ていきましょう。
①2000万円の中古アパートを購入する場合
自己資金として200万円出した場合、1800万円の融資を受けることになります。
その際、金利3%(固定金利)、20年ローン(元利均等)で返済していく場合、月々の返済額は約11万円となります。
このうち、物件自体の部屋数が6戸で、家賃がすべて5万円であった場合、満室想定での月額家賃収入は30万円、年間の家賃収入は360万円となります。
ここから月々の返済額(約11万円)が差し引かれることになり、月額約19万円、年間で約228万円が利益となる計算です。ここから、管理委託費など諸経費を加味し、最終的な収支が決まります。
物件の家賃収入から計算すると、360万円÷2000万円で表面利回りは18%となり、新築アパートの表面利回り(6〜8%)と比較してもかなり優秀であることが分かります。
条件にもよりますが、中古アパートの中には20%を超える物件もあり、高い利回りを狙えることが分かるかと思います。