40代共働き夫婦の年金は月額28万円。平均的な老後生活を送ることができます。さらに安泰老後に向けて準備をするにはどうしたらいいのでしょうか。フィナンシャルプランナーの長尾義弘氏が著書『私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。』(河出書房新社)で解説します。

安泰老後には70歳まで働き、繰り下げ受給を

▶40代の共働き夫婦/年金だけで余裕のある暮らしが可能に

現状

 

妻40歳、夫42歳。ともに正社員で、平均賃金(月額)は妻が26万円、夫が39万円。60歳の定年まで勤務を続け、それ以降は再雇用で65歳まで働くつもりです。

 

65歳からの年金受給額の見込みは、


●妻──月額約12.4万円(年額約149万円)
●夫──月額約15.4万円(年額約185万円)

 

夫婦の合計は、月額約28万円です。一般的な高齢者夫婦の支出とほぼ同等ですから、平均的な老後生活を送れると思います。では、改善の必要はないのでしょうか。

 

対策

 

現状でも収支のバランスは取れています。

 

ですが、もうひと工夫すると、もっと暮らしが楽になります。

 

二人とも70歳まで働き、繰下げ受給をすれば、年金の合計は月額約41万円に増えます。平均的な支出より、14万円も多い金額です。

 

年金だけで生活していくことも可能でしょう。年金は「減らない財布」と同じといっても過言ではないのです。

 

ところで、収支のバランスが取れているからといって、すっかり安心していいわけではありません。

 

というのも、これは日常生活の支出に限った話だからです。

 

この先、さまざまなイベントが予想されます。長年住んだ自宅は、リフォームが必要かもしれません。車を買い替えたり、孫と一緒に家族旅行に出かけることもあるでしょう。あるいは、家賃の負担が重くなり、生活費を圧迫するケースも考えられます。

 

こうした日常生活とは別の出費に備えて、予備費は必須です。要介護になる可能性も考慮に入れると、約800万円の余裕資金は準備しておきたいものです。

 

夫婦でイデコやつみたてNISAを利用し、効率的に余裕資金を作ることを心がけましょう。

 

長尾義弘著『私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。』(河出書房新社)より。
長尾義弘著『私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。』(河出書房新社)より。

 

 

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本連載は長尾義弘氏の著書『私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。

私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。

長尾 義

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