(※写真はイメージです/PIXTA)

OODAループは、不測の事態や緊急事態における臨機応変な意思決定方法です。このスキルが身に付いていると、不測の事態や緊急事態に直面したとき、柔軟な判断や迅速な実行が最優先されます。現場が起点となっているので、柔軟な対応が可能です。コンサルタントの井口嘉則氏が著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

ベンチャーはOKRで急成長を狙う

PDCAが、ある程度出来上がった成長後期〜成熟期の企業に向いた経営管理手法だとすると、ベンチャーのような創業期〜成長前期の企業には野心的な目標設定を行うOKRが向いています。

 

OKRとは、Objectives and Key Results(目標と主要な結果)の略で、米・インテルで伝説の経営者といわれたA・グローブがモトローラとの半導体競争の中で考案・導入し、目覚ましい成功を収めたことに由来します。その時インテルでいっしょにやっていたジョン・ドーアが、クライナー・パーキンス(著名なVC)に移り、投資先のGoogle等にOKRを紹介して、同社の飛躍の元となりました。

 

例えば、Googleの親会社であるAlphabetのCEOになったサンダー・ピチャイは、インド出身で2004年にGoogleに入社し、その後Google Chromeの開発に携わり、「Chromeの7日間のアクティブ・ユーザー数の目標」をOKRで設定し、2010年にはアクティブ・ユーザー数を1億人にするという目覚ましい業績を挙げました。Googleでは現在でもOKRを使用し、他社にもその利用を推奨・紹介しています。

 

Googleだけでなく、他にFacebookなど、シリコンバレーの有名企業が取り入れていることで、近年注目を集めています。

 

日本では、メルカリ、Sansan等が導入していると言われていますが、2021年から花王が導入を始め、ベンチャーだけでなく、大企業でも活用され始めています。

 

OKRの使い方ついてご紹介しましょう。

 

(1)O: Objectives(目標)

Objectivesは組織が達成を目指すシンプルで覚えやすいものであること、定性的なもので定量的な指標は入れなくてよいとされています。ただし、それは社内のチームのモチベーションを高めるような挑戦しがいのあるもの、野心的なものであるべきだとされています。期間は、四半期(3カ月)〜1年程度で達成できるような目標です。

 

(2)KR:Key Results(主要な結果)

Key Resultsは、 Objectiveへの進捗を図るための具体的な指標で、こちらには定量的な指標が必要とされています。そして、一つのObjectiveに対してKRは2〜5つ程度を設定します。実績は、KRの達成度を0〜1.0で測り、その平均値をOの達成度とし、色分け(0.7以上青、0.4〜0.6黄、〜0.3赤)して評価を行います。

 

OKRにも2種類あり、必達が求められるコミットするOKRは100%が必須であり、野心的なOKRは60〜70%の達成度で成功とされています。

 

一方、通常使われているPDCAの難点は、100%が合格で、100%に到達すると、皆それ以上やらなくなることです。筆者が知っている企業でも、社員が低い目標達成で満足してしまわないように、わざと目標設定を行わない企業がある位です。それに対してOKRは60%でもいいということなので、60%以上行かせようとする人たちもいるわけです。いわゆる試験と同じです。

 

もう一つPDCAの難点は、期間が1年と長いことです。我々の活動はおおよそ3ヶ月単位程度で動いています。季節が変わると気分も変わります。それを1年間長々と取り組んで、終わってから結果をフィードバックとなると、すでに最初の方のことは忘れかけています。それに対してOKRは四半期サイクルくらいで、素早く回していきます。

 

ポイント
ベンチャーや成長を目指す企業はOKRを

 

井口 嘉則
株式会社ユニバーサル・ワイ・ネット 代表取締役
オフィス井口 代表

 

 

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    ※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

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    井口 嘉則

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