「認知症=怖い」はもう古い。医療・介護・福祉・高齢者問題をテーマに活躍、多数の著書を持つジャーナリストと、メディアや新聞各社でも多数活躍する司法書士との共著『認知症に備える』より、そもそも認知症とはなんなのか、認知症になったらどんなことに本人が困るのか、もしくは困らないのか、どのような制度が利用できるのか等、すぐ実生活に活かせるようなヒントを、以下抜粋して紹介する。
「高齢者うつ」も認知症と間違えられやすい病気です。子どもから高齢者までどの年代でも、うつ病は発症する可能性がありますが、高齢者のうつ病は「一日中ボーッとしている」「なんとなく元気がない」など、認知症の初期に似た症状があるため、認知症と間違われやすく、知らないうちにうつや認知症の症状が進行してしまうことがあります。
うつ病と認知症は、どちらも日常生活に支障が出てくるという共通点がありますが、原因がちがいます。
認知症は「脳になんらかの障害が起こる」ことが原因で、記憶力や判断力などの認知機能が低下しますが、うつ病では、「抑うつ症状が長く続く」ことで日常生活がうまくいかなくなってきます。
認知症とうつ病は区別しにくいことに加え、合併することも珍しくなく、うつ病の人が高齢化すれば認知症になったり、逆に認知症の人がうつ病にかかることもあるため、認知症専門医の診断が必要です。診断が間違っていると、治療法まで間違った方向に進んでしまうからです。
また、胃を切除した人には、4年以上たってからビタミンB12欠乏症が、アルコール依存症の人では、ビタミンB1欠乏症が起こることがあり、もの忘れやからだのふらつきなど、認知症に似た症状があらわれることがあります。
ジャーナリスト、ノンフィクションライター
1949年、長野県生まれ。雑誌編集者を経てライターに。人物インタビュー、ルポルタージュを書くかたわら、海外を取材し、『ユリ─日系二世ハーレムに生きる』(文芸春秋)などを出版。認知症になった友人の介護を契機に医療・介護・福祉・高齢者問題にテーマを移し執筆。全国で講演活動を続けるほか、東京都世田谷区でシンポジウムや講座を開催。住民を含めた多職種連携のケアコミュニティ「せたカフェ」主宰。世田谷区認知症施策検討委員。近著に『おひとりさまでも最期まで在宅』『人生100年時代の医療・介護サバイバル』(いずれも築地書館)、共著『認知症に備える』(自由国民社)など多数。
著者プロフィール詳細
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連載「認知症=怖い」はもう古い!70代の足音が聞こえてくる前に、心と環境の準備のススメ
司法書士 村山澄江事務所 代表
介護や相続の『まさか』をなくすことがミッション。おばあちゃん子だったことがきっかけで、高齢者家族のサポートに注力。【略歴】1979年名古屋生まれ。2003年司法書士試験合格。2010年独立開業。2018年「AI相続®︎」 の立ち上げに参画。2020年株式会社エラン(東証プライム上場)「キクミミ」監修者に就任。認知症対策の相談数1300件以上。家族信託・成年後見の専門家として活動中。【メディア掲載等】日本経済新聞・日経ヴェリタス・読売新聞・朝日新聞。中央経済社「旬刊経理情報」。早稲田学報。週刊現代。週刊エコノミスト etc.【書籍】『今日から成年後見人になりました』(自由国民社)、『認知症に備える』(自由国民社)。【講演】各自治体、ハウスメーカー、生命保険会社、不動産会社、介護事業所、教会などで延べ3,000名以上へ講演。
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