この眼科医に「発達障がいの様相」があるワケ
相手の話を冷静に聞かない自己中心的な点、親御さんが丁寧にお子さんの病気を説明したにも拘わらず自分の意見に固執する点、急にキレた点、看護師に聞いたところ、今回に限ったことではなく、以前にも同じようなことが何回かあったという点、以上から考えると、この眼科医は発達障がいの様相があります。
このような例は、意外とさまざまな病院で多く語られています。医学部に入り、国家試験も通ったような人間でも、発達障がいでないとは決して言い切れないのです。
医師は、専門的な技術を求められる割合が多く、それまで勉強をしてきた自分の興味のある分野の知識が職業でも非常に役に立ち、個人の能力がものを言う場面が多いので、発達障がいによる症状があったままでも、何も指摘されずに社会で暮らしていきやすいように思います。
しかし、他の学部、特に文系は、必ずしもその人が持っている専門知識を活かせる職業に就けるとは限りません。
発達障がいを抱えている人は、興味のある仕事に就けば、驚くほどの能力を発揮しますが、自分のやりたいことから少しでも外れると、興味が持てずに辞めてしまう傾向があります。
また、コミュニケーション能力の問題から辞める人も少なくないのです。勉強ができるからといって発達障がいではないとは言い切れません。勉強ができても、少しでも発達障がいの兆候がお子さんに見られ困っていたら、躊躇せず専門医とまず相談すべきでしょう。
そして、例えば、ADHDにより不注意が多いとわかったのであれば、どんなところをミスしやすいのか、デスクの目に見える位置に貼っておくなど、自分の苦手なことを知ることで、前もって対策が立てられるはずです。症状を認識し、対策を立てることが、持っている長所を活かし社会で成功することにつながることでしょう。
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鈴木 直光
筑波こどものこころクリニック院長・小児科医
小児神経学会認定医博士(医学)
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