米国の「金融緩和ラリー」は堂々巡りになる恐れ (※写真はイメージです/PIXTA)

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米国は2四半期連続のマイナス成長

株式市場に戻りが出ています。「景気後退→利下げ」を織り込んでの『金融緩和ラリー』のような動きです。

 

金利低下のぶん、成長株が若干アウトパフォームしていますが、株価の回復が続けば、景気後退懸念が遠のいて金利は再び上昇し、割安株式が成長株式に対してアウトパフォームする……すると、インフレ懸念から米連邦準備制度理事会(FRB)は引き締めを継続……といった「堂々巡り」の形を筆者は見ています。

 

あわせて、巨大テクノロジー企業の業績が『成長の壁』にぶつかっていることも直視したほうがよいでしょう。

 

「弱気相場が終わった」と考えるのも、「インフレ懸念が終わった」と考えるのもどちらも早計であり、引き続き、両方に備えて幅広い分散をお勧めします。

 

在庫取り崩しの影響と堅調なサービス消費

さて、米国では4−6月期の実質GDP成長率が前期比年率換算でマイナス0.9%となり、1−3月期(同マイナス1.6%)と合わせて、2四半期連続のマイナス成長となりました。

 

データ期間:2000年1-3月~2022年4-6月 四半期次。成長率は前期比年率換算
米経済分析局(BEA)Refinitive、フィデリティ・インスティテュート データ期間:2000年1−3月~2022年4−6月 四半期次。成長率は前期比年率換算

 

2四半期連続のマイナス成長は「テクニカル・リセッション」と言われますが、「在庫取り崩し」の影響が大きいほか、GDPの最大項目である「サービス消費」は過去と比べても大変堅調です。

 

データ期間:2000年1-3月~2022年4-6月 四半期次。成長率は前期比年率換算
米経済分析局(BEA)Refinitive、フィデリティ・インスティテュート データ期間:2000年1−3月~2022年4−6月 四半期次。成長率は前期比年率換算

 

また、「雇用統計」として知られる非農業部門の雇用者数は、1−6月に「274万人」増加しており、通常「雇用が増えているときは、景気後退とは判定されません」。

 

データ期間:2000年1-3月~2022年4-6月 四半期次。成長率は前期比年率換算
米経済分析局(BEA)Refinitive、フィデリティ・インスティテュート データ期間:2000年1−3月~2022年4−6月 四半期次。成長率は前期比年率換算

 

在庫は昨年後半の成長率を7.5%ポイント分押し上げ

以下、在庫について考えると、4−6月期のGDP成長率(マイナス0.9%)は、在庫の取り崩しによって「2.0%ポイント分」押し下げられており、これを除くと(GDP成長率は)プラスです。

 

もともと在庫は、昨年の7−9月期および10−12月期に大幅に積み上げられており、GDP成長率を、2四半期合わせて「7.5%ポイント分」押し上げていました。言い換えると、昨年後半のGDP成長率が高くなっていたわけです。

 

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    マクロストラテジスト

    大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了後、農林中央金庫にて、外国証券・外国為替・デリバティブ等の会計・決済業務および外国債券・デリバティブ等の投資・運用業務に従事。

    その後、野村アセットマネジメントの東京・シンガポール両拠点において、グローバル債券の運用およびプロダクトマネジメントに従事。

    アール・ビー・エス証券にて外国債券ストラテジストを務めた後、2013年にJ.P.モルガン・アセット・マネジメントに入社、2019年同社マネージング・ディレクターに就任。ストラテジストとして、個人投資家や販売会社、機関投資家向けに経済や金融市場の情報提供を担う。2020年8月、フィデリティ投信入社。

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